実質GDP、4期ぶりマイナス=7~9月期、年1.2%減―消費伸び悩み、輸入増加響く

時事通信社
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内閣府によると、マイナス成長となった直接の要因は、輸入の伸びが5.2%増と輸出の1.9%増を上回ったこと。石油や石炭の輸入増に加え、海外企業への広告料支払い増加という「一時的要因」が影響した。(i-stock/yongyuan)

 内閣府が15日発表した2022年7~9月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.3%減、この成長が1年続いた場合の年率換算で1.2%の減少だった。21年7~9月期以来、4四半期ぶりのマイナス。新型コロナウイルス感染「第7波」や物価高を受け個人消費が大幅に鈍化したほか、輸入の急増が全体を押し下げた。

 内閣府によると、マイナス成長となった直接の要因は、輸入の伸びが5.2%増と輸出の1.9%増を上回ったこと。石油や石炭の輸入増に加え、海外企業への広告料支払い増加という「一時的要因」が影響した。輸出から輸入を差し引いた外需はGDPを0.7%押し下げた。

 後藤茂之経済財政担当相は15日の記者会見で、「民需を中心として景気は緩やかに持ち直しているという姿に変わりはない」と強調した。

 ただ、内需も力強さを欠く。設備投資は1.5%増と堅調だったが、GDPの半分以上を占める個人消費は0.3%増と、前期(1.2%増)から減速。3年ぶりに行動制限のない夏休みだったものの「第7波」による外出自粛が響いた上、物価高による節約志向の高まりも重しとなった。

 物価変動の影響を反映し、より生活実感に近いとされる名目GDPは前期比0.5%減、年率2.0%減とこちらも4期ぶりのマイナス。円安で輸入額が膨らんだ影響で、マイナス幅は実質よりも大きくなった。

 実際に、資源高や円安による輸入価格の高騰で海外に所得が流出している実態を示す「交易損失」は、年換算で19兆7284億円と前期から約3兆6000億円拡大し、比較可能な1994年以降で最大を更新した。みずほ証券の小林俊介チーフエコノミストは「企業や家計の置かれている環境は実質GDP(の数値)よりも厳しい」と指摘した。

◇7~9月期のGDP速報値
◇実質成長率     ▲0.3  年率▲1.2
◇寄与度      内需0.4  外需▲0.7
◇主要項目       増加率     寄与度
 個人消費       0.3     0.1
 住宅投資      ▲0.4    ▲0.0
 設備投資       1.5     0.2
 民間在庫        ―     ▲0.1
 公共投資       1.2     0.1
 輸出         1.9     0.4
 輸入         5.2    ▲1.0
◇名目成長率     ▲0.5  年率▲2.0
◇GDPデフレーター ▲0.5
(注)数字は%。民間在庫は寄与度のみ。GDPデフレーターは前年同期比でその他は前期比。▲はマイナス

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