カバーバージョン『あなたに』
テレビの地上デジタル化によって、手間なく、番組を毎週丸ごと録画ができるようになった。
デジタル化によって、コマーシャルやオープニングの「飛ばし」は、アナログとの比較では容易になり、連続ドラマの主題歌を毎回聴くことは、まずなくなった。
実際、ほとんどのドラマで前半部分に登場するオープニング曲は一回見ればよしとし、2回目以降は「飛ばし」てしまっている。
TV番組の視聴時間を短縮化するためにほとんどの視聴者は、同じような行動を取っているのではないだろうか?
1990年代の前半、TVドラマと主題歌のタイアップは、当たり前のように行われてきた。
『素顔のままで』の『君がいるだけで』(米米CLUB:1992)、『101回目のプロポーズ』の『SAY YES』(CHAGE&ASKA:1991)、『若者のすべて』の『Tomorrow never knows』(Mr.Children:1994)や『東京ラブストーリー』の『ラブ・ストーリーは突然に』(小田和正:1991)、『愛していると言ってくれ』の『LOVE LOVE LOVE』(DREAMS COME TRUE:1995)など…ミリオンセラーも数多い。TVドラマは、楽曲の最高の宣伝の場だった。
ところが、いまや、TVドラマの主題歌には1990年代ほどの力がなくなっている。
TVドラマ自体の視聴率や影響力低下もさることながら、録画メディアのイノベーションによるところも大きいと思われるのは、さっき書いた通りだ。
ただ私事で言えば、そんな中でも、この10月からスタートしたTVドラマ『遅咲きのヒマワリ~ボクの人生、リニューアル~』(フジテレビ系列、火曜日21時~)のオープニング曲は毎回見ている。
単純に凄くいかしていると思うからだ。
オープニング曲は、パンクロックバンドのモンゴル800(はっぴゃく)が2001年にアルバム『MESSAGE』の中で発表し、ヒットさせた『あなたに』。これを出演する俳優さんたちが順番にバトンタッチしながら歌っていくというものだ。
生田斗真→真木よう子→桐谷健太→香椎由宇→柄本佑→木村文乃→国仲涼子とワンフレーズずつリレー形式で歌いながら、最後は全員で合唱というスタイルが格好いい。
実は、このドラマの主題歌はMr.Childrenの『常套句』なのだが、私的には『あなたに』が主役を完全に食ってしまっているという印象がある。
ただ、このBLOGで曲の紹介をすると、売れたためしがないので、あまり声を大にしては言えない。しかも、この素晴らしい楽曲は、発売される予定もないそうだ。
※ドラマの内容については割愛しますが、なかなか面白いのでぜひ録画して見てみてください。
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