22年9月15日号 日本の小売業1000社ランキング2022
今号の特集は「コロナ禍3年目、本当に強い企業がわかる! 日本の小売業1000社ランキング」です。2022年の日本の小売業売上高ランキング1000社の総売上高は対前年比0.5%減、昨年より約3817億円減少し77兆2584億円でした。コロナ禍の特需の反動減や、「収益認識に関する会計基準」の適用による売上高の目減りなどが影響し、昨年に続き2年連続の減少となりました。
こうした逆境下でも実力のある企業は着実に売上を伸ばしています。コロナ禍1年目は特需の影響を受けた食品スーパーやドラッグストア、生協などが好調だった一方、百貨店や衣料品専門店、コンビニエンスストアなどは苦戦し、「業態間格差」が顕著でした。しかし、コロナ禍2年目は業態間格差に加え、特需に頼らず業績を伸ばすことができた企業とそうでない企業が分かれる「企業間格差」が鮮明になっています。本特集では、業態別・地域別に売上高ランキングを掲載するともに、各業態の概況も解説しており、本当に強い企業がわかる内容となっています。
また、本特集には、コンビニエンスストア大手ローソンの竹増貞信社長の特別インタビューも収録されています。以前からのオーバーストア化に加え、コロナ禍での消費行動の変化を受けてビジネス戦略の転換が求められているコンビニエンスストア業界。こうしたなかでローソンは着実に戦略を構築し、日販も徐々に回復しつつあります。コンビニエンスストアだけでなく、スーパーマーケットなどの食品小売各社にとって必見の内容です。
編集後記
ウエルシアHDとイオン九州が合弁会社「イオンウエルシア九州」の設立を発表しました。両社のノウハウや知見を掛け合わせた、「フード&ドラッグ」の新業態の出店を加速していくとのことです。イオングループ傘下の2社が合弁会社を立ち上げるというのは異例の出来事といえるでしょう。 ちなみに8月にはイオン九州とトライアルが中心となって、九州を本拠とする小売企業13社が連携する物流プロジェクト「九州物流研究会」も発足しています。 縁あって今年に入ってから月1~2回の頻度で九州出張が続いているのですが、これらのニュースをみるに、まだまだ続く予感です。そろそろ福岡で部屋探しをしようか……。
(雪元)
本誌でも掲載したマックスバリュ関東の新サービスであるQコマースの「Order&Eat」は今後要注目かもしれません。 Qコマースの利用者側のメリットは「買物の時間(と手間)をお金で解消できる」点にあります。2時間待つネットスーパー、30分で済むQコマースのどちらに軍配が上がるのか、消費者は自身のニーズに合わせてサービスを使い分けるのか。配送手数料や店舗オペレーションなど、各社の戦略から目が離せません。
(湯浅)