22年6月1日号 コロナ後の総菜
食品スーパーの総菜を取り巻く環境は常に変化しています。コロナ禍では飲食店のテイクアウト強化により自宅でも本格的なメニューを楽しむ人が増えているほか、ドラッグストアなど異業態が総菜を取り扱う動きもあり、競争が激化しています。また、人手不足など以前からの問題に加え、原材料や光熱費の高騰など、総菜部門を運営するうえで解決すべき課題が山積しています。 こうしたなか、すでに有力各社は動き始めています。本特集では、バロー、イズミ、ヤオコー、ライフ、サミット、ベルクなど計10社の綿密な取材・調査を通して、各社がどのように総菜の売場づくりや収益化、効率化、価格政策に取り組んでいるのかを解説しています。今後の打ち手を考えるうえで、参考にしていただければ幸いです。
編集後記
不確実性への耐性── 逆境に強く、危機的な状況でも諦めずに適切な解答を出し、組織を導ける力のことです。 小売業、外食業のトップにはこの資質を持った人が数多くいますが、その1人がサイゼリヤの堀埜一成社長。従来の方程式が通用しなくなると、途端に目を輝かせ、新たな組み立てを考えるのだそうです。 コロナしかり「万が一」が現実に起こってしまうVUCA時代のいま、この「逆境を成長に変える力」はトップの資質としてより重要になるのではないでしょうか 。
(阿部)
「総菜」「惣菜」という言葉は意外にも古く、江戸時代中期の文献で「そうざい」という表記が見られるようです。もともとは「家庭で食べるおかず」を意味していたのが、近年に入り「(店舗などで)調理済みのおかず」としての意味合いが強くなっていったようです。 とはいえ江戸時代には煮魚など調理済みの総菜を売る「煮売屋」という屋台も市中に存在したようで、日本人と(中食としての)総菜の歴史は古いようです。コロナという異常事態を経て、日本の総菜はさらにどう進化していくのでしょうか。
( 雪元)