【経済】前場の日経平均は約9カ月ぶり安値 ソフトバンク公開価格割れ

2018/12/19 14:00
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Reuters ソフトバンク
12月19日、前場の東京株式市場で、日経平均株価は前営業日比90円35銭安の2万1025円10銭となり、続落した。写真はソフトバンクの上場に際し、東京証券取引所で鐘を鳴らす同社の宮内社長。都内で撮影(2018年 ロイター/Issei Kato)

 

[東京 19日 ロイター] – 前場の東京株式市場で、日経平均株価は前営業日比90円35銭安の2万1025円10銭となり、続落した。オーバーナイトでの先物安を受けた売りが先行。節目の2万1000円を割れ、取引時間中としては3月28日以来、約9カ月ぶりの安値を付ける場面があった。下げ幅は200円を超えたが、国内公的年金の買い観測が広がる中で持ち直し、前場後半にプラス圏に浮上するなど荒い動きとなった。新規上場のソフトバンクは公開価格を下回って推移した。

 

 騰落率は日経平均が前日比0.43%安、TOPIXが同0.35%安となった。TOPIXは連日で年初来安値を更新した。東証1部の前場の売買代金は1兆4753億円。このうちソフトバンクの売買代金が全体の約21%を占めた。業種別で上昇率上位に入ったのは空運、建設、機械。半面、鉱業、電気・ガス、石油・石炭がさえない。銀行業指数が1%を超す下げとなる金融セクターも軟調だった。

 

 ソフトバンクは公開価格1500円を2.5%下回る1463円で初値を形成。その後売り気配となり、一時1344円を付けた。同社株が公開価格割れとなったことが投資家心理を冷やし、日経平均は先物主導で下落した。もっとも上場前に通信障害などの問題があった同社に対しては「初値に対しては過度な期待がなかった」(国内投信)との声もあった。足元でソフトバンク株は1300円台後半でもみあいを続けている。

 

 日経平均は前場前半に2万0880円73銭まで下落したが、押し目買いで下げ渋る展開。やがて国内公的年金による買い観測が広がった。下値の堅さを印象付けたが、外部環境に対する警戒感は強く、積極的に買い上がる姿勢も限定的だった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表などを控え、徐々に様子見ムードが広がった。

 

 市場では「FOMC後の市場の反応が非常に読みにくい。米国の利上げ打ち止め感が強まった場合、円高になるリスクがある一方、米国株が上昇した場合は円高にならないシナリオもある。景気のピークアウト感が強まり株が売られた場合は円高になる可能性もあり、不透明感が強い」(アイザワ証券・日本株ストラテジストの清水三津雄氏)との声が聞かれた。

 

 東証1部の騰落数は、値上がり1033銘柄に対し、値下がりが997銘柄、変わらずが98銘柄だった。

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