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第2回

2009年10月10日

PB市場の成長と戦略的開発
―デイモンワールドワイド日本代表バイスプレジデント ピーター・トーマス氏に聞く―

中村 博

 連日新聞紙上でPB(プライベート・ブランド)の文字を見ない日はない。前回連載で触れたとおり、消費者の低価格志向が追い風となっているPB市場であるが、景気回復後もシェアが拡大していくことが予想されている。小売業だけでなく、メーカーにとっても、来るべきPB時代に備える必要があるのは明白だろう。


 では、なぜ今、日本においてPB市場の拡大が予想されているのか、またPB市場はどのように拡大していくのか――前回執筆を担当いただいた中央大学 ビジネス・スクールの中村 博氏をインタビュアーに迎え、世界中でプライベート・ブランドのコンサルティングを行うデイモンワールドワイド日本代表バイスプレジデント ピーター・トーマス氏に話を聞いた。

 

 

 

中村:

 近年、国内の景気低迷による消費者の低価格志向などが影響して、日本のプライベート・ブランド(以下PB)の売上は増加しています。例えばイオンのPBであるトップバリュの売上金額をみると2007年度は約2,600億円でしたが、2009年2月には約4,000億円に達しています。同様に、セブン&アイ・ホールディングスのPBであるセブンプレミアムの2007年の売上は845億円でしたが、2009年2月には1,800億円に達しています。

 

 現在の日本では、日用雑貨を含む加工食品市場におけるPBのシェアはおよそ6%から7%程度ではないかと思います。トーマスさんは、日本のPBシェアは今後どの程度まで増加すると思われますか。

 

トーマス:

 日本のPBはこれから成長すると予想しています。現在、米国の日用雑貨を含む加工食品市場におけるPBシェアは約20%程度ですが、このままいけば、何年か先には、日本のPBシェアは米国を上回るようになるのではないでしょうか。

 

 その理由は日本のPBメーカーが、非常に品質にこだわった製品を作っているからです。消費者は、品質と価格のバランスを考えながらブランド選択を行いますが、日本の消費者は価格よりも品質を重視しており、現在の日本のPBはそのニーズに応えていると思います。この不景気はいずれ回復すると思いますが、日本のPBはこれからも成長を続けると考えています。

 

中村:

 デイモン社では、どのような点に気をつけてPBの開発支援を行っていますか。また、デイモン社のビジネス・モデルについて教えてください。

 

トーマス:

 まず、デイモンは、PB商品を製造しているメーカーとパートナーシップを組み、顧客となったPBサプライヤーのPB商品の売上増加のための、極めてユニークなコンサルティング・サービスを提供する会社です。得意先小売企業一社一社の事業の目標に合わせて事業モデルを設計し、デイモンのアソシエイトが得意先小売企業内に直接常駐してPBビジネスの支援を行っています。

 

 デイモンでは、消費者の顕在や潜在ニーズを両方分析し、把握することからPBの開発支援を行います。そして、製品の無駄な部分を極力省くように提案しています。例えば、消費者ニーズを考慮してパッケージに必要以上のコストをかけることはお勧めしません。また、低価格という便益を伴う商品でも、原材料や製造者は産地にこだわらない調達のサポートをします。もちろん、そこでは厳密な品質管理体制がしかれていることが前提です。

 

 消費者ニーズの分析には、POSデータや利益データ、デイモン社独自の消費者調査データなどを利用します。また、当社はグローバルな企業ですから、世界のPBの売れ筋データも活用しています。これらのデータを、商品開発、クリエイティブ、売場開発、マーケティング、営業のプログラムに活用し、消費者がよりよい生活ができるように「バリュー」に重点をおいて開発支援を行っています。

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