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2018年6月1日

『売れる化
 経営戦略よりコストカットより大切な商売の基本』
本多利範著(プレジデント社/1500円〈本体価格〉)


 ヒット商品はどのように誕生するのだろうか。おいしくても売れない商品はたくさんあるし、安いからといって必ずしも売れるわけでもない。最年少でセブン-イレブン・ジャパンの取締役に就任し、鈴木敏文氏の右腕として辣腕を振るった本多利範氏が、ヒット商品を生み出す「売れる化」の極意を伝授する。

 

 本書は、「商品開発力養成講座」、「販売力養成講座」、「変化対応力養成講座」の3部で構成されている。

 

 まず、商品開発力養成講座では、売れる商品を開発するうえで気をつけるべきポイントを約30挙げている。その中の1つに「3階建て商品をつくる」という項目がある。かつてコンビニエンスストア(CVS)では低価格帯の商品だけが揃えられていたが、異なる価格とクオリティの商品で選択肢に奥行きを持たせる必要性を説いている。

 

 100円おにぎりや300円台のパスタなど、従来どおりの価格重視の商品(1階部分)だけでなく、140円前後のおにぎりや季節ごとに食材を変えたパスタなど毎日買える価格帯でありながら、多彩なラインアップの商品(2階部分)や、高級食材を使った「毎日は買えないが、週1回のご褒美としてなら買える商品」(3階部分)も揃えることを提案している。実際に本多氏がセブンで3階部分の「ハレの日」シリーズを開発したとき、社内で反対も多かったが、いざ蓋を開けてみると、好調に売れたという。

 

 また、販売力養成講座では、発注、立地、オペレーションの重要性などを指摘し、売れる店舗のつくり方に具体的に迫る。

 

 さらに変化対応力養成講座では、季節の変化、消費者行動の変化などへの素早い対応の必要性を説明している。

 

 どうすれば商品が売れるのかを開発段階から店づくりまで含め具体的に指摘している本書は、CVSのマーケティング担当者だけでなく、食品メーカーの商品開発担当者、小売業の経営層が読んでも役に立つだろう。

 

(『ダイヤモンド・チェーンストア』2018年6月1日号掲載/本誌53ページに本多利範氏のインタビュー記事を掲載しています。合わせてお読みください。)

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