百貨店を生活商圏型SCに転換!「ららテラス川口」の全貌と戦略とは?

取材・文:西岡 克(フリーランスライター)

「西松屋」が出店!ゲームセンターも

8階には、ベビー・子ども用品の「西松屋」やアミューズメント施設「ギーゴ」などの大型店を配置した。さらに、介護の入居相談窓口のほか、英語、そろばん、体操、パソコン教室、写真スタジオなどのサービス系テナントも集積し、ファミリーのニーズに対応している

人気の生活雑貨店が集まる1階フロア

1階はライフスタイル雑貨のフロア。人気の「スリーコインズプラス」や「プラザ」をはじめ、「ケユカ」「吉祥寺菊屋」といった生活雑貨店が軒を連ねる

屋上にBBQ可能なビアガーデン

屋上(11階)の「ワイルドビーチ川口」は約300席を備えるBBQ対応のビアガーデン。そごう川口店時代の屋上ビアガーデンの雰囲気を継承しつつ、白い砂を敷き詰めたビーチエリアやカフェも併設している。同フロアには、法人向けシェアオフィスも設けた

17年ぶりに復活した「からくり時計」

ペデストリアンデッキと直結する3階の入口付近に、約17年間止まっていた「からくり時計」が蘇った。時刻になると、川口市のマスコットキャラクター「きゅぽらん」と獅子舞、招き猫の人形が音楽に合わせて登場する

【記者の目】

 三井不動産は、百貨店の建物や設備を活用してSCへと転換する、いわば「居抜き」出店を「リニューアル事業」と位置づけている。02年に、旧そごう錦糸町店を改装し、「アルカキット錦糸町」(東京都墨田区)として再生した実績があるが、今回のららテラス川口は築34年の建物。耐用年数を超えた設備も一部含まれていたため、電気設備やエレベーターなどを点検し、必要な部品の交換を行った。建て替えと比較して投資額は約8割削減でき、通常34年かかる工事期間も10カ月に短縮した。

 地方都市では百貨店の撤退やSCの閉鎖が相次ぐ中、「リニューアル事業は今後もチャンスがあれば積極的に取り組んでいきたい」と、三井不動産の肥田雅和執行役員(リージョナル事業部長)は話す

SC概要

開店日 2025531
建物構造 鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造 地下2階~地上11階建て(売場は地下1階~地上8階、屋上)
敷地面積 8900
店舗面積 21500
営業時間 物販10:0021:00、フードコート10:3021:00(一部営業時間が異なる)
専門店数 94
駐車台数 500台(建物外の提携駐車場のみ)

 

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