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秋田県4年ぶりの新店「イオンスタイル山王」に見る、イオン東北の”地域密着型MD”の最前線

北野 裕子 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集者)
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「あめこうじ」を使ったPB商品を豊富に展開

  イオンスタイル山王のMDの中で目を引くのが、地元・秋田県産の生鮮品や、地元の食材を使った総菜、簡便商品の充実ぶりだ。とくに強化したのが、イオン東北のPB「にぎわい東北」のうち、秋田県オリジナル麹「あめこうじ」を取り入れた商品である。

「あめこうじ」を使った総菜を並べたコーナー

 あめこうじは、秋田県総合食品研究センターが独自の方法を用いて開発した麹菌だ。製造・販売は同センターが制定した麹の品質基準をクリアした県内麹製造企業のみ可能。甘みが強く、すっきりとした味わいが特徴だ。イオン東北は地域産業の活性化などを目的に、地元企業や食品メーカーとあめこうじを活用した商品を開発しており、続々と新商品を増やしている。

 イオンスタイル山王でも、3月中旬から販売を開始した新商品を取り扱う。総菜では「あんかけメンチカツ(甘口だれ)」(5個入298円)、「あんかけ野菜かき揚げ(甘口だれ)」(4個入り298円)を新たに販売。あめこうじからつくった「爛漫 塩麴もろみ」を調味料としてタレに活用し、タレをメンチカツやかき揚げにたっぷり絡めた商品となっている。

 ほかにも、「だし醤油だれの鶏もも焼き」や、あめこうじを発酵させてつくった塩麴もろみを活用した「むね肉なのにジューシー!『あめから』」など、すでに販売している商品を含めてあめこうじの関連商品を並べたコーナーを設置していた。

イオンスタイル山王で販売する「だし醤油だれの炭火焼鳥ピッツァ」。あめこうじを使っている

 また、ベーカリーやピザでもあめこうじを使った商品を展開。あめこうじ入りのだし醤油をタレに使った「炭火焼チキンステーキ―バーガー」(498円)や、同じタレを使った店内焼き上げのピザ「だし醤油だれの炭火焼鳥ピッツァ」(798円)も販売する。

 総菜に限らず、簡便食品も取り揃える。精肉売場では「鶏モモ肉スライスだし醤油漬け」(398円)や、鮮魚売場では「銀鮭のこうじ味噌漬け」(2切れ498円)など、店内随所であめこうじをPRしていた。

あめこうじを使った「爛漫塩麴もろみ」と味噌調味料に肉を漬けこんだ商品を展開している精肉売場

今後の出店モデルの1つに

記者会見でイオンスタイル山王について説明するイオン東北の辻雅信社長

 秋田県内では5年ぶり、秋田市内では前身のマックスバリュ東北時代を含め8年ぶりの新規出店となったイオンスタイル山王。イオン東北にとって、今回の出店は「新たな船出の1号店だ」と辻社長は語る。

 イオン東北は2020年に、マックスバリュ東北とイオンリテールの食品部門が統合して発足した。その後、21年に衣料品や家具などを展開していたイオンリテール東北事業本部と統合し、25年3月にはイオンスーパーセンターを吸収合併している。辻社長はこうした変遷に触れ、「もう1度イオングループとして新しい成長戦略を描こうとしており、今年から新規出店の数を増やす予定にしている。(新体制での)1号店としてイオンスタイル山王を本社がある秋田市の中心地にオープンすることで、われわれが今後めざす店舗のあり方をしっかり伝えていく店にしたい」と話した。

 また、今回はSM業態の「イオンスタイル」と専門店を融合したフォーマットでの出店となっている。辻社長は「たとえばイオンモールなどの大型店は開発に時間もかかり、出店できる土地も限られる。今回のようにコンパクトなかたちで、スーパーマーケットとさまざまな業種をコンビネーションした店舗展開も考えていきたい」と意欲を見せた。

 

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記事執筆者

北野 裕子 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集者

兵庫県出身。新聞社を経てダイヤモンド・リテイルメディアに入社し、ダイヤモンド・チェーンストア編集部に所属。

趣味は国内の海や湖を巡り、風光明媚な場所を探すこと。おすすめのスポットは滋賀県の余呉湖、山口県の角島大橋。

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