「チーズタッカルビ」考案企業が徹底解説!来店目的を創る韓国食品MDとは

解説:宮本研(ハッピー食品 常務取締役)、高瀬健史(ハッピー食品 営業本部部長)
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韓流ブームの影響を受け、韓国グルメは日本でも随分浸透している。それに伴い韓国食品コーナーを設置する食品スーパー(SM)も増えつつあり、今や韓国グルメは日常の食卓にも登場するメニューとなっている。韓国グルメの人気の背景や特徴、直近のトレンド、小売店での展開の現状、さらには今後の方向性について、韓国食品の製造・販売・卸事業者の専門家に聞いた。

エンタメと相まって韓国の食に脚光

 ハッピー食品は1997年の創業以来、韓国の食文化を日本に伝える日韓の架け橋となることをめざしてきた。2009年には日本最大級のコリアンタウンとして知られる新大久保エリア(東京都新宿区)で韓国食品専門店「ソウル市場(いちば)」を初出店し、現在、3店舗を展開するほか、ECサイト「ソウル市場」も運営している。

 韓国のトレンドをいち早くキャッチし、加工食品や飲料、酒類など、幅広い商品を韓国から輸入するほか、日本国内に自社工場を持ち、プライベートブランド(PB)「市場(シジャン)銘品」をはじめとするオリジナル商品も開発・製造している。

 まず、日本と韓国グルメの歴史から説明したい。日本では02年に「2002FIFAワールドカップ」が韓国と共同で開催され、03年に韓国ドラマ「冬のソナタ」が人気を集めたことを機に、購買力が旺盛な中高年女性を中心とした「第1次韓流ブーム」が新大久保エリアから全国に広がった。その後、10年頃には「KARA」や「少女時代」など韓国の女性アイドルグループが「第2次韓流ブーム」を牽引したが、12年以降、日韓関係の悪化に伴って「韓流ブーム」は一時的に下火になってしまった。

 そうしたなか再び韓国への興味・関心を喚起するべく16年、ハッピー食品が開発したのが「チーズタッカルビ」だ。韓国発のメニューと思っている人も少なくないが、鶏のもも肉と野菜を甘辛だれで炒めた韓国の家庭料理「タッカルビ」を、日本で人気が出るように当社が戦略的にデザインしたメニューだ。鉄板の両端にタッカルビを寄せ、チェダーチーズとモッツアレラチーズを中央に配置し、熱くとろけたチーズをたっぷり絡めて食べるおいしさと楽しさ、さらにビジュアルのインパクトを訴求。新大久保エリアにチーズタッカルビ専門店「市場(シジャン)タッカルビ」を開業すると、チーズが伸びる様子が「SNS映えする」として話題となり、10~20代の若い女性から大いに注目を集めて「第3次韓流ブーム」のきっかけとなった。初めて、韓国グルメを軸としたブームが誕生したのだ。その後、20年には

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