MZ世代の取り込みを強化 50周年を迎えるイオン「トップバリュ」がめざす方向性
MZ世代の反応見ながら
商品開発を繰り返す
お客の高齢化が進むなかで、若年層の獲得に向けてPBを強化する動きは他の食品小売業でも見られる。イズミ(広島県/山西泰明社長)は23年4月、商品の企画から販売までを自社で一貫して行うオリジナル総菜ブランド「zehi」に「premium(プレミアム)」「season(シーズン)」「balance(バランス)」「trend(トレンド)」という4シリーズを追加した。このうち「trend」では「ビビンバ巻き」「ローストビーフ巻き」など、流行や話題性を取り入れた商品開発を行っている。
また、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(東京都/藤田元宏社長:U.S.M.H)も、サステナビリティに配慮した商品を取り扱うPB「GREEN GROWERS(グリーングロワーズ)」を22年6月よりスタートしている。いずれのブランドも若年層の取り込みを念頭に置いた動きだが、両者の商品担当からは実際に商品を購入する層は30~40代を中心に想定より上の世代が多く、より若い世代を取り込むことが今後の課題だという声も聞く。
MZ世代の来店動機をさらに高めていくため、イオントップバリュでは今後、どのような取り組みを行っていくのか。
土谷社長はMZ世代をターゲットとした商品開発で、学生とのディスカッションを取り入れている事実に触れ、「MZ世代の方は普段さまざまな場所で買物をしており、情報に敏感」と断った上で、「こちら側で考えたものを発信するよりも、MZ世代に受け入れられる商品がどのようなものかをきちんと聞き、発売後もMZ世代の反応を見定めたい。その上で反響があった商品にさらに注力することの繰り返しを通じて、来店頻度を高めていきたい」と話した。
お客の声を聞き、顧客視点に立った商品を提供するーー「ジェーカップ」の開発当時から一貫して変わらない商品開発の姿勢は、今後もトップバリュの発展を支える要となりそうだ。