米菓はコロナ禍による巣ごもり需要で大きく拡大、4~5月の金額PIは2ケタ増に到達!

山田陽美(ライター)
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日本の伝統菓子である米菓は、ここ数年堅調に推移しており、2020年はコロナ禍による巣ごもり需要で大きく拡大した。おやつとしてはもちろん、お酒のおつまみとしての需要も高まり、市場は順調に拡大している。

せんべい 米菓イメージ
米菓は腹持ちがいいため、小腹満たしなどに最適。そのため不景気になると米菓の需要が高まる傾向にあるという。 写真 i-stock/Chiemi Kumitani

家飲みの増加でおつまみとしても需要増

 全日本菓子協会によると、2019年の米菓の生産数量は22万1796トンで対前年比0.1%増、生産金額は2856億円で同2.8%増、小売金額は3809億円で同2.8%増。ここ数年は大きな変動もなく、比較的安定した市場となっている。

 KSP-POSの米菓の期間通算(19年12月~20年11月)の金額PIは、1万2447円で対前年同期比6.1%増。3月まではほぼ前年並みで推移していたが、コロナ禍による巣ごもり需要で4月は同19%増、5月は同19.1%増と2ケタ増となった。米菓は腹持ちがいいため、小腹満たしなどに最適。そのため不景気になると米菓の需要が高まる傾向にあり、とくに食べた時の満足感のある揚げせんべいは好調だ。

 揚げせんべい市場をリードするのがロングセラーブランドの天乃屋の「歌舞伎揚」。同社では、お米を細かく砕き、独自の製法で花開いた口あたりのよい揚げせんべい「歌舞伎揚 瑞夢」2品を発売。プレミアムタイプの「歌舞伎揚」として人気だ。また、三幸製菓では油分控えめながら濃厚な味わいに仕上げた「三幸の揚せん」2品をこの春に新発売した。

亀田製菓、天乃屋、栗山米菓、岩塚製菓、三幸製菓の商品

 6月以降も堅調に推移したが、8月は例年並みの暑さにより需要が落ち込んだ。10月からGo Toトラベルで人が動き、外での消費機会が高まったことで伸び悩んだものの前年を上回って推移した。

 また、コロナ禍においては家飲みが増えたことで、おつまみとしての需要も高まった。亀田製菓の「亀田の柿の種」や「つまみ種」はコロナ禍で大きく伸長。三幸製菓では白ごまとじゃこの素材が入った、うす焼せんべいの「ごまとじゃこ」に加え、この春には生地に丸大豆と大豆粉を配合した「ダイズとアーモンド」を新発売。健康系おつまみとして提案している。また、岩塚製菓では、しっかりとした味わいとカリッとした歯ごたえの「大人のおつまみ」シリーズに、期間限定で新フレーバーを投入している。

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