コロナで激変した消費・買い物傾向 食品スーパーの商品政策はこう変わった!21年はこうなる!!
コロナ禍で総菜・ベーカリーは苦戦
生鮮食品や加工食品などの好調な動きとは対照に、売上が低迷しているのが総菜とベーカリーだ。とくに総菜は、子育てや仕事で忙しい共働き世帯や、単身世帯、シニア層などからの「簡便・即食」ニーズの高まりを受け、ここ数年伸長を続けているカテゴリーの1つだった。近年は総菜部門だけでなく、より素材や製法にこだわった専門性の高い商品を生み出すため、生鮮各部門が総菜の開発・販売に携わることが大きな潮流となっていた。
このように総菜を強化してきたSMにとって、コロナ禍は大きな打撃となった。来店頻度の減少に伴い、消費期限の短い総菜やベーカリーは選ばれにくくなったほか、衛生面での対策で、揚げ物やパンなどのバラ売りや、購買意欲を喚起する試食ができなくなったことなどから売上が減少している。
こうした傾向に真っ向から勝負し、21年度以降も総菜強化の方針を打ち出しているのが光洋(大阪府/平田炎社長)だ。大阪市や神戸市といった都市部に店舗が多い同社は、今後も即食商品へのニーズは大きいと判断。野菜を豊富に使用した「彩り野菜シリーズ」など、夕飯時のおかずとなるような商品の開発に取り組む。
こうした商品面での変化以外で、コロナ禍の影響で避けられないのが、消費者の節約志向の高まりだ。SMなどコロナ禍で好調な業態がある一方、飲食店や旅行業界、イベント産業など、コロナ禍で大打撃を受けている業界は少なくない。先行き不透明感の強まりや実際の所得減少に伴って消費者の節約志向はますます高まるとみられる。
こうした景況感の悪化から、特売など従来の価格政策を見直す企業も出てきた。ハローデイ(福岡県/加治敬通社長)は20年4月、30年以上継続していた火曜日・土曜日の特売を廃止することを決断。代わりに、生鮮食品を含む購買頻度の高い商品約350~400アイテムを値下げし、1週間同じ価格で提供する方式へと切り替えた。期間中はいつ来店しても同じ価格で買えるうえ、人が集中して「3密」になりやすいという特売のデメリットを解消できることから、お客から好評を得ているという。
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