日本人が誤解している「ウォルマートが多様性支援を縮小した」本当の理由
ウォルマートが多様性支援を縮小する本当の理由
ウォルマートが昨年末にDEI政策の縮小を発表した。大企業の方向転換ということもあって日本のマスコミも取り上げていたのでご存じの方も少なくないことだろう。
DEIとはDiversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包括性)の頭文字で、ウィキペディアによると「すべての人々、とくに歴史的に過小評価されてきたグループやアイデンティティや障害に基づいて差別を受けてきたグループのフェアな扱いと完全な参加を促進するための組織的なフレームワーク」となっている。
このニュースに対してほとんどの日本のマスコミは「強まる保守派の圧力」と、リベラルサイドに立った政治色の強い内容に終始していて、偏り方と短絡思考に閉口したのであった。

「多様性支援」がはらむリスク
ウォルマートが発表している修正点はおよそ以下の5つである。
● NPO組織のHuman Rights Campaignが毎年実施している、職場のLGBTQ+状況を評価するベンチマークスタディに参加しない
●サプライヤーと契約するときにその企業の人種構成や性別を判断基準としない
●人種の公平性の確立を目的とした専用組織を解消する
●未成年者向けトランスジェンダー商品がマーケットプレイスで出品されないようモニターする
●子供に有害な性的コンテンツを提供するようなイベントに金銭的支援をしない
実はそれぞれの項目にはすべて背景があるのだが、日本の皆さんはご存じないことだろう。
たとえば
鈴木敏仁のアメリカントレンド の新着記事
-
2025/04/04
マーク・ロリー率いる米ワンダーグループ フードデリバリー市場で急成長の理由 -
2025/03/06
日本のメディアは底が浅い!クシュタールによるセブン買収、本当の価値とは -
2025/02/05
日本人が誤解している「ウォルマートが多様性支援を縮小した」本当の理由 -
2024/10/17
置き配、ロッカーを超える利便性?ライブトラッキングが促す物流改革とは -
2024/09/21
ウォルマートも推進!小売業を変える、 広義の自動化とは何か? -
2024/08/14
「AIがサステナビリティを実現する」その最新事例とは
この連載の一覧はこちら [48記事]
