最新決算が発表間近! コンビニの2022年売上ランキングをおさらい

兵藤 雄之
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日本フランチャイズチェーン協会(東京都)によると、2022年(22年1月~12月)のCVSの市場規模(全店ベース)は対前年比3.7%増の11兆1775億円だった。既存店ベースの増減率も3.3%増と、全店、既存店ともに前年を上回る伸長率になった。

セブン―イレブンのロゴマーク

大手チェーンは既存店強化に舵

 新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置(まん防)の全面解除、全国旅行支援の実施に伴う人流の回復や、前年から引き続いての総菜、生鮮、日配品、冷凍食品などの商品開発・品揃えの強化、さらには大手3社それぞれによるフェアの展開などにより、既存店ベースで来店客数も7年ぶりのプラス(0.6%増)となった。

 結果、CVS各社の売上・利益はともに回復基調にある。大手3チェーンの第3四半期累計(2022年3月~11月)の既存店売上高前年同期比は、セブン-イレブン・ジャパン(東京都:以下、セブン-イレブン)が3.4%増、ファミリーマート(東京都)が4.3%増、ローソン(東京都)は2.9%増(ローソン単体の数値)になった。

 不採算店の閉鎖、既存店の活性化にも各社力を入れている。第3四半期決算時点で、各社の出店・閉店の状況は、セブン-イレブンが「出店355、閉店352」、ファミリーマートが「出店126、閉店155」、ローソンが「出店168、閉店185」となっていることからも、各社、新規出店よりも、既存店の強化に注力していることがわかる。

 セブン-イレブンは品揃えの拡充、フェアの継続により、来店動機を創出する一方で、グループPBのセブンプレミアムの粗利率が改善、23年2月期の期中に営業利益の上方修正(2300億円から2320億円へ)を行った。また、既存顧客の利便性向上と利用頻度アップを図るため、ネットコンビニ「7NOW(セブンナウ)」の導入を開始。実施店では客単価アップ、売上増大の効果が出ている。23年度中に1万2000店舗、24年度中に全国導入をめざしている。

 ファミリーマートは、21年10月から切り替えを開始した新PB「ファミマル」が好調に推移、21年3月から全国展開している「コンビニエンスウェア」は新規顧客の獲得にもつながっており、既存店売上高は2021年9月以降17カ月連続(23年1月時点)で前年を上回っている。22年10月以降はコロナ前の実績をクリアしている。

 ローソンは、22年5月から「無印良品」商品の本格導入を開始。店内調理サービス「まちかど厨房」の導入店舗も拡大も進めている。

 前期(22年2月期)は最終赤字、23年2月期も営業赤字を見込むミニストップ(千葉県)では、デリバリーサービスの取り扱い店舗を全国1000店舗規模にまで増やし、顧客とのタッチポイント拡大を図っている。

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