失業率、自発的離職増加で11月は2.8%に上昇 有効求人倍率1.15倍で横ばい
[東京 28日 ロイター] – 総務省が28日発表した11月の完全失業率(季節調整値)は2.8%となり、前月から0.1ポイント悪化した。新型コロナウイルスの感染者数が落ち着き、より良い条件の仕事に就くための自発的な離職が増えた。一方、厚労省が発表した11月の有効求人倍率(季節調整値)は1.15倍と、前月と同水準だった。
ロイターがまとめた事前予測調査によると完全失業率は2.7%が予想されていた。
男性の失業率は3.0%と前月から0.2ポイント上昇。女性は2.6%と前月から0.1ポイント上昇した。
就業者数(季節調整値)は6624万人で前月と同数。
完全失業者数(同)は192万人で、前月に比べて10万人増加した。内訳では「自発的な離職(自己都合)」は6万人増加、「新たに求職」は1万人増加、「非自発的な離職」は前月と同数だった。自発的な離職が増加した背景について、総務省の担当者は、コロナ感染者数の落ち着きなど持ち直しの面の裏返しがあると説明した。
一方、厚労省が発表した11月の有効求人倍率は前月と同水準だった。
有効求人数が前月に比べて1.0%、有効求職者数が0.9%、それぞれ増加した。新型コロナウイルスの感染状況が落ち着き、社会経済活動の回復期待から求人、求職の動きが両方向から出てきた。
有効求人倍率は仕事を探している求職者1人当たり、企業から何件の求人があるかを示す。求人、求職はともに3カ月間有効で、今回は2021年9、10、11月の動きが反映されたものとなる。
11月の新規求人数(原数値)は前年同月比12.3%増だった。これを産業別でみると「製造業」が同38.0%増、「宿泊業、飲食サービス業」が同23.3%増、「情報通信業」が同19.5%増、「教育、学習支援業」が同19.4%増となった。