インフレ下における2年連続の大幅賃上げ=2024年の小売業を振り返る

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 コロナ特需から一転、長引く円安やロシアのウクライナ侵攻などを背景に、小売企業はコストプッシュ型インフレに直面している。小売企業にとって、原材料費や光熱費の上昇、それに伴う物価高による消費マインドの低下は深刻な問題だ。こうした状況下において、賃上げの加速が小売各社にさらなるプレッシャーをかけている。

 2024年の春季労使交渉(春闘)では、平均賃上げ率が5.1% と23年に引き続き高水準の賃上げ率となった。とくに大幅な賃上げを実施したのがイオンリテール(千葉県)だ。パート従業員の時給を7.0% 引き上げ、正社員についても総額平均6.3% の引き上げを実施することで満額妥結した。

オンのロゴ
〔写真説明〕イオンのロゴ(AFP時事)

 また、ライフコーポレーション(大阪府)もパート従業員に対して6.0%以上、正社員に対して5.0%以上と高水準の賃上げを行った。同社は正社員のベースアップを含む賃金改善を5年連続で実施している。

 今後、賃金の上昇はさらに加速すると見られている。長引くインフレや大幅賃上げが続く中で、いかに高収益体質を構築できるかが、小売企業にとって喫緊の課題となるだろう。

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株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア デジタル推進室では、日々の流通・小売業関連のニュースを配信するほか、メールニュースなどを通じてDCSオンラインユーザー様とのコミュニケーションを行っております。

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