米5月CPI5.0%上昇、13年ぶり大幅伸び ベース効果剥落へ

ロイター
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米のマーケットで買い物をする人
米労働省が10日に発表した5月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.6%上昇と、市場予想の0.4%上昇を上回った。写真は2012年3月撮影(2021年 ロイター/Jim Young)

[ワシントン 10日 ロイター] – 米労働省が10日に発表した5月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は、前年同月比5.0%上昇し、2008年8月以来、約13年ぶりの大幅な伸びを記録した。ただ、昨年春に見られた軟調な物価が影響しており、こうしたいわゆるベース効果は6月以降薄れる見込みだ。

市場予想は4.7%の伸びだった。4月は4.2%上昇していた。

前月比では0.6%上昇と、市場予想の0.4%を上回ったものの、09年6月以来の大幅な伸びだった前月の0.8%からは鈍化した。

食品・エネルギーを除くコア指数は、前年比3.8%上昇し、1992年6月以来の高い伸びとなった。前月比では0.7%上昇した。

ナティクシスの米州担当チーフエコノミスト、ジョセフ・ラボーニャ氏は、市場にとってインフレの高進は織り込み済みだとした上で、「多くの投資家は今後成長が鈍化すると考えており、もし向こう3─6カ下月で経済が予想以上に弱まっていることが確認されれば、たとえインフレ率が上振れしても問題にはならない」と指摘した。

雇用は依然として20年2月のピークを760万人下回っているものの、雇用主は適切な人材を探すことに苦労しており、賃金を上げている。こうした状況も物価の上昇につながる可能性がある。求人数は930万件と、過去最高水準に膨らんでいる。

賃金は前月比0.5%増と、底堅く伸びた。娯楽や外食・宿泊部門の伸びが目立った。

物価の内訳は、中古車・トラックが7.3%上昇。前月も10%伸びていた。その他、宿泊やレンタカー、家具、寝具、衣服などが値上がりした。

物価上昇の加速は金融政策に影響しないとみられる。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、物価の急上昇が一時的な現象となると繰り返し表明。FRBは昨年、政策金利をゼロ近辺に切り下げ、月々の債券購入を通して経済へ資金をつぎ込んでいる。物価上昇率がFRBの柔軟な平均インフレ目標である2%を長期間下回っていたことを相殺するために、しばらくは目標を超えることを容認する姿勢を示している。

FRBが物価を判断する上で注目するコア個人消費支出(PCE)価格指数は4月に前年同月比3.1%上昇し、1992年7月以来の大幅な伸びとなった。

ウエルズ・ファーゴ証券のシニアエコノミスト、サム・ブラード氏は「物価上昇率はまだピークに達していないが、今四半期中に達するだろう。ただ既存の圧力を踏まえると前年比ベースの物価は21年を通して高止まりするとみる」と話した。

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