データ活用でイオン全体の利益を最大化させる!

阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)、下田 健司
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デジタル技術が急速に進展する中、流通大手イオンがデータ活用を積極化している。その司令塔に当たるのがデータイノベーションセンター(DIC)だ。イオングループは約300社。小売を中心に金融、商業施設開発など多岐にわたる事業から生み出されるデータは活用次第でグループに価値をもたらす宝の山だ。イオンのチーフデータオフィサー(CDO)/データイノベーションセンター長の中山雄大氏にDICのねらい、現在の取り組み状況を聞いた。

役割は、グループ全体に価値をもたらすこと

──DICの役割を教えてください。

中山 DICは、イオングループのデータ活用能力を向上させるために「センター・オブ・エクセレンス*」として2021年3月に発足した、持ち株会社イオン内の専門組織です。グループの事業会社とともに、企業価値の最大化につながるデータ活用のベストプラクティスを生み出し、グループ各社への導入を拡大する役割を担っています。したがって、事業会社とともに取り組んでいる個別のプロジェクトがめざしていることは、「グループ全体にとって価値をもたらす」こと、つまりグループ全体の利益拡大です。

 私自身はイオングループのデータ戦略を立案し遂行していくCDOとして入社しました。その後DICを立ち上げ、グループのデータ活用方針を策定し、データは事業会社だけでなくグループでも活用するものということを各事業会社に理解してもらいました。

*優れた専門知識を有する中核的な研究拠点、組織のこと

──データ活用におけるイオンの強みは。

中山雄大
中山雄大(なかやま・たけひろ)
●大学院修了後、IT企業の研究所および米国シリコンバレーの研究所にて自然言語処理、画像理解、データ解析等の研究に従事。2001年に携帯電話会社に転職。携帯端末アーキテクチャ、システムセキュリティ、ソースコーディング等の研究に従事した後、データサイエンティストやデータエンジニアからなるビッグデータグループを率いる。2016年から生命保険会社にてチーフデータオフィサーとしてデータ戦略の立案と実行を担う。2021年よりイオンチーフデータオフィサー。登録特許44件。

中山 お客さまをリアルで多面的にとらえられる点です。お客さまと接点を持つ各事業会社をつなぐことによってクロスセリングができるし、個別の事業会社ではわからないような新たな知見も得られます。それがグループの力となり強い企業集団へと成長できます。

──DICの体制を教えてください。

中山 人員は現在25人で、ほとんどが中途採用です。大きく3つの職種からなる体制をとっています。

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記事執筆者

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

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