物流拠点集約も!15社参画「東北物流みらい研究会」がめざす課題解決とは
課題が山積する物流の領域において、各地で食品スーパー(SM)や物流事業者らが連携して物流改善に取り組む研究会が立ち上がっている。9月20日には、東北エリアを地盤とする小売企業を中心に計15社が参画した「東北物流みらい研究会」が発足。同日、宮城県内で行われた記者会見では、将来的に企業間で物流拠点を集約し、企業横断型で店舗に配送する構想が示された。会を通じて協業の可能性を探り、効率的な物流の構築をめざす。※HD=ホールディングス
人口減少、高齢化…課題解決へ協業模索
物流はサプライチェーンを維持するうえで欠かすことのできない領域だが、「2024年問題」や脱炭素、ドライバー不足など問題が切迫しつつある状況だ。そのため、SM業界では企業の垣根を越えて連携する動きが生まれ、九州や首都圏、北海道など各地で物流研究会が立ち上がっている。
今回発足した東北物流みらい研究会も、その動きに続いたかたちだ。研究会には15社が参画。イオン東北、ヨークベニマル、伊徳、おーばん、フレスコ、紅屋商事、マークスHD、マイヤ、マエダ、ヤマザワ、リオン・ドールコーポレーションと東北エリアを拠点とする小売企業が名を連ねる。また、拠点は福岡県だが、東北エリアへの出店を加速しているトライアルHDや、物流企業のイオングローバルSCM(千葉県)とMLS(福岡県)、ロジスティクス・ネットワーク(東京都)も参画している。

物流は、地域特性によって状況や問題も異なる。研究会として東北エリアのどのような問題解決に取り組むのか。会の事務局を務めるイオン東北(秋田県)の辻雅信社長が記者会見で説明したのは、人口減少と高齢化だ。国の推計では東北6県の人口減少ペースは全国平均を上回り、2010~30年にかけて162万人減少する。高齢化率も全国平均を大幅に上回り、40年には65歳以上が4割強を占める見通しだ。辻社長は「労働生産人口も減少するのは必須。産業全体でリスクが高まる」と危機感をあらわにする。
元々、運送業界はドライバーの平均年齢が高く、年々ドライバーを確保するのが困難な状況だ。加えて2024年問題や、前述した東北エリア特有の問題が拍車をかけ、業界内で物流維持へ危機感が高まっている。国土交通省東北運輸局によると、東北エリアは2024年問題の影響で、30年には約4割の荷物が運べなくなるという試算もある。
そこで23年11月、一部の小売業者と卸売業者が「東北物流研究会」を立ち上げ、計6回にわたって会合を開催。各社の物流拠点の位置や幹線物流の状況などを共有し、協業を模索した。そのなかで業界全体で解決すべきだという機運が高まり、「東北物流みらい研究会」の発足につながったという。
エリア別の分科会設置、効率的な物流へ議論開始
研究会が今後の施策の方向性として示したのは、
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