オイシックスらが行うフードパントリー活動が、サポート企業を50社以上に広げられた理由

松岡 瑛理
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オイシックス・ラ・大地(東京都/高島宏平社長:以下、オイシックス)では、ESG(環境・社会・ガバナンス)活動の一環として、社会貢献活動に力を入れている。その一つが、ひとり親世帯を中心とした困窮家庭への食品支援事業「WeSuppotFamily」だ。2023年9月時点でサポート企業は50を越えた。どのようにして企業からの協賛を広げたのか。

フードパントリー
連携先の一つ「みなと子ども食堂」のフードパントリーで配布された食品

食品支援のプラットフォームを構築

オイシックス・ラ・大地では「食に関する社会課題をビジネスの手法で解決する」という企業理念のもと、「Oisix」「らでぃっしゅぼーや」など、安全性に配慮した食品をサブスクリプションモデルで提供する事業を行っている。

社内には「ソーシャルコミュニケーション室」という部署があり、ESGの観点を取り入れたさまざまな活動に取り組んできた。

その中のひとつが、ひとり親世帯を中心とした子どものいる困窮家庭に向けた食品支援のプラットフォーム「WeSuppotFamily」。ESGのうち「S」(社会とのかかわり)に当てはまる。

前身となったのが、新型コロナウイルスの感染拡大直後である20年4月に立ち上がった「WeSupportMedical」だ。社会事業をコーディネートする一般社団法人のRCF(東京都/藤沢烈代表理事)と、物資の保管・管理を行うココネット(東京都/河合秀治社長)、オイシックス・ラ・大地が提携し、124の医療機関に294万個(約9億5000万円円相当)の物資寄付を行った。WeSupportMedicalとしての活動は21年11月で終了しているが、プラットフォームを引き継ぐ形で「WeSuppotFamily」が立ち上がった。

子どものいる貧困世帯(年収114万円以下の世帯)は全国で約268万世帯あると言われ、うちひとり親世帯は66%を占める。コロナ禍の収束後も、物価高騰などによって、母子家庭では食事回数や品目を減らすなど、食生活への影響が出ていることが、これまでの調査から明らかになっている。「WeSuppotFamily」はこうした背景を踏まえ、ひとり親の困窮家庭に無償で食品を配布する「フードパントリー」と呼ばれる活動を支援している。

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55の企業が協賛
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