家具の買い取り再販売も!イケアが注力する循環型ビジネスの全貌とは
スウェーデン発祥のホームファニシングカンパニー、イケア(IKEA)の日本法人イケア・ジャパン(千葉県/ペトラ・ファーレ社長:以下、イケア)は5月25日、「IKEA新三郷」(埼玉県三郷市:以下、新三郷店)で「サステナブル・ツアー」を行った。同ツアーでイケアが紹介したのは、同社が掲げる「サステナビリティ戦略」のもと、気候変動などの課題を解決するため店内各所で実施するさまざまな取り組みだ。
廃棄を減らすため商品を循環させる
イケアは環境問題などの課題を解決するため、かねてよりサステナビリティ戦略を掲げている。同戦略のスローガンは「ピープル・アンド・プラネット・ポジティブ」とし、人々の暮らしや地球の環境によい影響を与えながら売上を伸ばす企業をめざす。具体的には、2030年までに「商品に使用する木材の3分の1をリサイクル素材に変換」、「化石燃料由来の接着剤を40%削減」(対16年度比)などの目標を掲げる。
これらの目標を達成するため、イケアは「サーキュラー(循環型)ビジネス」に力を入れる。廃棄を減らし、商品を循環させようとする取り組みだ。それにより、健康的でサステナブルな暮らしの提供、温室効果ガスの削減、資源の再生や生態系の保護につなげる。では、具体的にどのようにしてサーキュラービジネスを実現しているのだろうか。新三郷店の取り組みを見ていこう。

新三郷店の売場1階では、店舗で使用しなくなった店頭展示品やお客から買い取った商品をアウトレット価格で販売する「サーキュラーマーケット」を常時展開している。イケアは17年から買い取りサービスを開始し、買い取り実績は累計3万8000点にのぼる(23年6月時点)。取材日はデスクやテーブルなどを定価の半額で販売していた。
同じく売場1階の「ネジ・部品コーナー」では、商品に必要なネジや部品を補充できるサービスを提供する。お客が部品をなくしても、再組み立てをしやすくなるための工夫だ。この取り組みはお客に商品を長く使ってもらいたいという意図で行っている。
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