人口減、少子高齢化を勝ち抜く食品小売フォーマットの作り方

文:佐々木桂一:リテイリングワークス
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勝ち残る企業の条件は「EDLC」

 食品小売業界は「オーバーストア状態」といわれて久しいが、ドラッグストア(DgS)は、「フード&ドラッグ」として新規出店や改装を積極的に進めている。

 市場全体が人口減少や少子高齢化により需要が縮小している一方で、競争はいっそうの激しさを増しており、まずは体力の弱い中小の食品スーパー(SM)が淘汰され始めている。

 今後は、ローカルSMとしてこれまで地域の食生活をリードしてきた中堅SMも生き残りが難しくなるばかりか、大手企業でさえこの先も安泰とはいえない状況になるだろう。

 それは過去のダイエーやマイカルを代表例として、当時すでに大企業であった総合スーパー(GMS)の事例を挙げればわかるだろう。マルカム・マクネア教授が提唱した「小売の輪」理論のとおり、かつて価格破壊で一世を風靡した企業も規模増大に伴い、高コスト体質になり、販売価格の上昇が進み、新たに低価格を実現した身軽な企業に追い込まれることになるのである。

 その具体的な要因はどこにあるのか。以下、大きく5点挙げたい。

①商品の品揃えをサプライヤーの提案に依存し過ぎている
②過度な店舗拡大による売場面積の水増し
③短期的な競争に勝つため

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