ユニクロに迫るZOZOに死角なしの構造的理由 ミドル世代強化でファッション市場制圧なるか

河合 拓 (株式会社FRI & Company ltd..代表)
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ミドル強化のZOZOに対抗する唯一の手段とは

 ZOZOは、ファッションモールの空中版のようなものだ。しかし、ZOZOを利用している2030代のファッショニスタの1000万人のアクティブ顧客を握られているとしたら、もはや何をやっても勝負にならない。同社はさらに、ZOZOユーザーが2030代と比べて多くない(つまり伸びしろがある)40~50代アッパー顧客の取り込みを強化するという。

 アパレル企業としてはその前に、40~50代アッパーの顧客を囲い込み、ZOZOTOWNミドル~シニア版に顧客登録をさせないために、リアル店舗から地道に自社ECへ誘導することが求められる。同時に、同じ年代を違うテイストで攻めている企業同士でタッグを組み、日本人のアッパーマスのZOZOTOWN版を作ることなどが考えられるが、日本のアパレルの足並みの悪さは折り紙付きで、実現は難しいだろう。

 ZOZOは、その創業期には、セレクト御三家であるユナイテッドアローズ、ビームス、シップスがECで買えるということで成長していった。

 であればユナイテッドアローズ、ビームス、トゥモローランド、ベイクルーズ、シップス、エストネーション、ストラスブルゴ、など40代アッパーをシビれさせているセレクトショップ大合従連衡が起きれば、ZOZOに代わる第2の勢力ができると私は思うのだが、ないものねだりというものだろうか。

 

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プロフィール

河合 拓(経営コンサルタント)

ビジネスモデル改革、ブランド再生、DXなどから企業買収、政府への産業政策提言などアジアと日本で幅広く活躍。Arthur D Little, Kurt Salmon US inc, Accenture stratgy, 日本IBMのパートナーなど、世界企業のマネジメントを歴任。2020年に独立。大手通販 (株)スクロール(東証一部上場)の社外取締役 (2016年5月まで)
デジタルSPA、Tokyo city showroom 戦略など斬新な戦略コンセプトを産業界へ提言
筆者へのコンタクト
https://takukawai.com/contact/index.html

 

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記事執筆者

河合 拓 / 株式会社FRI & Company ltd.. 代表

株式会社FRI & Company ltd..代表 Arthur D Little Japan, Kurt Salmon US inc, Accenture stratgy, 日本IBMのパートナー等、世界企業のマネジメントを歴任。大手通販 (株)スクロール(東証一部上場)の社外取締役 (2016年5月まで)。The longreachgroup(投資ファンド)のマネジメントアドバイザを経て、最近はスタートアップ企業のIPO支援、DX戦略などアパレル産業以外に業務は拡大。会社のヴィジョンは小さな総合病院

著作:アパレル三部作「ブランドで競争する技術」「生き残るアパレル死ぬアパレル」「知らなきゃいけないアパレルの話」。メディア出演:「クローズアップ現代」「ABEMA TV」「海外向け衛星放送Bizbuzz Japan」「テレビ広島」「NHKニュース」。経済産業省有識者会議に出席し産業政策を提言。デジタルSPA、Tokyo city showroom 戦略など斬新な戦略コンセプトを産業界へ提言

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