王者ZARA、セレクトショップの未来は?「生き残るアパレルと死ぬアパレル」最新分析!
セレクトショップはこう変わる
一昔、セレクトショップは、ファッショニスタの憧れだった。私自身、会社勤めをし、外出が日常だったころ毎週のようにセレクトショップに通い、服を買っていた。しかし、19年度の国税庁調査によれば、年収300万円以下の割合が日本人口の約40%となり、若者だけでなく、従来の中心購買層だった30代〜40代でも、セレクトショップが「視界」から消えてしまったようだ。
私自身の話で言えば、依然セレクトショップに強い憧れはあるものの、ユニクロ価格の慣れもあるが、あまりに高額な価格と着飾る必然性が見えないなか、店舗へ足が遠のいている。大手各社は、バイヤーが持つ審美眼を活用し超低価格ラインのプライベートブランド(PB)を開発、好感度と高いコスパを実現すべく、ディフュージョンブランド(ブランド普及のための、価格を抑えたブランド)勝負で差別性を挑む、あるいは、小規模店舗が、
3大プラットフォーマーの動き
これに対し、Amazon(アマゾン)、楽天、ZOZO、ヤフーを傘下に持つZホールディングスの3大プラットフォーマーは、それぞれ独自の道を歩むべきというのが私の提言だ。
アマゾンは米国で次々とアパレルを葬り去ったAmazon Fashion(アマゾンファッション)ストアを日本でさらに強化すると思われる。だが、成功のためには、よりいっそう深い日本市場の理解、つまり、無敵のコスパを率いるユニクロが国民服となった日本人の
また、楽天ファッションについていえば、貨幣、物流、EC(加えて事業投資)を、「D2Cパッケージ」とし、スタートアップ支援を行って市場展開を加速化するのがよいと思う。楽天ファッションのPBはイメージがしがたく、また、その方向性も見えないため、あくまでパッケージ開発と展開に注力すべきだろうし、
さらに、Zホールディングスについては、ファッショニスタのポータルともいえるZOZOTOWNが大きな鍵を握る。すでに、ファッション・
3大プラットフォーマーは、単にEC売場を貸し出すだけでは物足りない。徹底してそれぞれの違いをだし、本質的な方向性としてはビッグデータを工場に開示しながら、前回ご紹介した「デジタル・アパレルリテーラー」を育て産業の新陳代謝を促進すべきだ。
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