王者ZARA、セレクトショップ、百貨店アパレルの未来は?「生き残るアパレルと死ぬアパレル」最新分析!

河合 拓
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ZARAの凋落と王者の入れ替わり

Photo by borchee
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世界のアパレル王者ZARAについて言えば、20211月期通期の決算は、売上は前年比28%減の約26300億円で、利益は70%の大幅な減益である。ZARAとユニクロの最大の違いは、経済停滞する北半球市場をメーンターゲットとしているか、これから伸びる南半球(アジア市場)をターゲットにしているかの違いといわれている。また、成長著しい中国マーケットを吸引するのはECで、年率25%で成長、すでに中国ECアパレル市場は25兆円規模とのことだ。

一方、欧州を拠点におくZARAは、H&Mなどと「環境との共存」の道を選び、単なる売上拡大を目指す営利企業から、「理念持つ成長」に移行すると見ている。具体的には、彼ら欧州アパレルにとって「売上ランキング」という指標は無意味化ESG経営(環境、社会、ガバナンスの略)を主軸においた戦略に移行するだろう。したがって、結果的にユニクロ、あるいは、シーインのような、アジアの成長を自社の成長に取り入れている企業が数年後のトップとなる。このように、企業の力を表すものさしが変わるということだ

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