ウィズコロナ時代のショッピングセンター経営17 ポストコロナのSCプロモーション戦略とは
前回まで企業経営的な視点のテーマを扱ってきたが今回からはもう少しディティールに入り、プロモーションをテーマにする。ショッピングセンター(SC)運営では、プロモーションのことを「販促活動(略して販促)」と呼び、販促担当という社員がいる。しかし、この呼び方によって活動そのものを矮小化され、SCマーケティング戦略に大きな誤り(戦略の誤謬)を起こしていることはあまり知られていない。
今回は、なぜSC運営ではプロモーションのことを販促と呼ぶのか、販促と呼ぶことで効果的な施策が達成できない事実、そして、ポストコロナ、デジタル社会におけるSCプロモーション戦略のあり方について3回に分けて解説していく。
販促活動の目的と効果
販売促進活動の主たる目的は、書いて字のごとく「販売の促進」、すなわち売上を上げること。しかし、コトラーの言葉を借りれば「マーケティングの究極の目標はセリングを無くすこと」であり、売り込まずともモノが売れていくことがマーケティングの最終目標ならば販売促進活動など本来は不要なはずだ。
ところがSC運営では販促活動が日々行われ、当たり前のように毎年、何千万円、何億円もの巨額なお金が投下される。
しかし、コロナ禍で十分な販促活動を行わなかったことで「販促活動の効果は実はあまり無かったのではないか」という声が聞かれる。販促活動はやってもやらなくても結果にそれほど差は無いのでは、という課題感だ。
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