レシートは語る第15回 まもなく関西進出のオーケー、データでわかる競争力と成功のカギ

山室 直経 (mitorizDMB本部 本部長)
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ロピアに次ぐ高い顧客単価

 次に2024年3月~8月までに投稿されたレシートデータを分析し、各チェーンで比較した(図表3)。

図表3

 オーケーの「1品単価(238.5円)」は、万代、業務スーパーに次いで価格が低いものの、「レシート当たりの金額(2153.2円)」はロピアに次いで2番目に高かった。「価格が圧倒的に安く、週末にまとめ買いする」とあるように「レシート当たりの数量(9.0個)」は比較した中で最も多く購入されている結果となった。

 カテゴリ別構成比をみると、オーケーは「飲料・酒類」「菓子類」「日用品」が他チェーンと比較して割合が高い傾向であることがわかる。ナショナルブランド商品が強いカテゴリで価格競争力が発揮されていることが表れているといえる。

 今回の調査では、オーケーの関東エリアにおける支持の高さと同時に、商圏が異なるものの、関西5チェーンと比較した際に「安さ」と「商品品質」における優位性が示された。すでに関西での認知度も高いことから、出店前にもかかわらず競合と善戦できる下地が整っているといえるのかもしれない。

 しかし、消費者の節約志向がより一層高まる中で、関西ではディスカウント業態も根強く支持されており、一筋縄ではいかないことは確かだ。オーケーが関西エリアの消費者に「お得感」を見出してもらうため今後どのような戦略をとっていくのか、さらなる注目が集まるだろう。

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記事執筆者

山室 直経 / mitoriz DMB本部 本部長

山室直経(やまむろ・なおつね)

神奈川大学経営工学科卒業。パソコンメーカーを経て、米リサーチ会社にてコンサルティング業務を学ぶ。その後、大手家電量販店子会社のパソコンメーカーで経営企画室に従事。計数管理とERP導入による業務改善などのプロジェクトを経験した後、2012年3月ソフトブレーン・フィールド入社、消費者購買データ事業の新規立ち上げを行う。

現在はデータを軸とした事業開発と当社の基幹システムのDX戦略を担う

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