PBと外食事業拡大へ!業務スーパーが好調の神戸物産の成長戦略とは

2024/01/26 05:15
下田健司
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中計でめざす営業利益370億円 
PB、外食、業スー成長で実現へ

 2410月期を初年度とする3カ年の中期経営計画では、①外食・中食事業の拡大、②国内PBの生産能力強化、③業務スーパーの継続的な成長の3つの基本方針を挙げている。

 沼田博和社長は「食の総合企業として、小売業の業務スーパーだけではなく、外食、総菜など、いずれも神戸物産しかできない価値を提供していきたい」と話す。中計では数値目標として2610月期に売上高5430億円、営業利益370億円を掲げている。

 これまで以上に拡大するというのが外食・中食事業だ。外食・中食事業の売上高は109億円で、売上規模はまだまだ小さいが、2310月期は5割近い伸びを示している。外食・中食事業では、大型バイキング店「神戸クック・ワールドビュッフェ」(14店舗)、焼肉オーダーバイキング店「プレミアムカルビ」(20店舗)、総菜店「馳走菜(ちそうな)」(114店舗)の3業態を展開する。3業態の店舗数は合計148店舗だが、中計では外食・中食事業全体で継続的に出店を行い200店舗以上という目標を掲げている。なかでもプレミアムカルビについては、現在1都3県中心(東京3、神奈川8、埼玉6、千葉2のほか、栃木、静岡に1店舗ずつ)で展開しているが、地方での出店を含めてFC展開に乗り出す。

 過去3年ほど課題になっていたというのが国内PBの生産能力強化だ。大型の新工場2カ所を稼働させるほか、製造工場の増産投資を行い、PB比率を引き上げる。目標とするPB比率は37%だ。国内PB強化のため、設備投資については毎年100億円以上を計画している。

 業務スーパーの継続的な成長については、引き続き計画的な新規出店を行う。目標とする店舗数は1130店舗だ。併せて、最も重要視している既存店成長に力を注ぐ。既存店への出荷額を毎期2%以上成長させる計画だ。FC店に対して、省エネ什器や自動発注などの導入を促し、店舗運営の効率化を図るとしている。

 これらの中計で掲げた数値は現状の延長線上にある手堅い目標と言っていいだろう。ただ長期的には、業務スーパー店舗数1500店舗以上、PB比率40%以上、外食・中食事業の全業態で500店舗以上、物流拠点への投資による販管費率の改善、連結営業利益率10%以上を目標に掲げる。注目されるのは現在7%弱の営業利益率を10%以上に引き上げる点だ。売上規模を拡大しながら、PB比率の向上や販管費率改善による収益力向上に挑戦する。

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