若い年齢層を獲得する新たな商品を投入し日本酒市場の活性化を進める=菊正宗酒造 嘉納治郎右衞門 社長

2019/12/31 06:20
ダイヤモンド・チェーンストア編集部
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世界的コンテストで最優秀賞

──あらためて日本酒を取り巻く環境についての認識を聞かせてください。

嘉納 国内は少子高齢化が進行、人口減少によりマーケットが縮小しています。これまで日本酒はヘビーユーザーに支えられてきたカテゴリー。その主たる顧客層が高齢化し、消費量が減少、日本酒市場は厳しいといわれています。

 ただ、変化も見られるようになってきました。純米酒や吟醸酒といった、高品質なお酒への注目度が高まり、女性や若年者といった新しい層の購買者が増えつつあります。また近年、インバウンド需要のほか、海外での評価も高まっています。

──その状況のなかどういった施策で市場拡大を図りますか。

嘉納 国内では今、お話しした純米酒や吟醸酒、また製品形態では中小容量の製品の需要が高まっています。それら伸長している部分を、さらに拡大することで日本酒市場を伸ばしていきたい。

 一方、落ち込んでいるのはボリュームゾーンである大容量のパック製品です。日本酒業界全体の売上構成比が約7割あり、いわば業界の根幹といってよいカテゴリーです。紙パックのお酒は、瓶よりも軽く、割れない、遮光性にも優れております。何よりも流通で手軽に入手できます。もっと日本酒を日常酒的に楽しんでいただけるようなパック商品の開発は重要だと考えています。

──それを実現するため力を入れる製品は何ですか。

嘉納 ひとつは16年9月に発売した「菊正宗 しぼりたて ギンパック」。新たに開発した特許酵母を使っており、大吟醸をも凌ぐ香り、新酒のような風味です。しぼりたてのお酒を生のまま低温貯蔵し、パック詰めする時のみ加熱処理しており、華やかな味わいが特徴です。発売後、売上が着実に伸びており、とくに30~40歳代の購買者が増えています。従来とは異なる若い年齢層の獲得につながっており、手応えを得ています。

 また19年7月、世界最大のワインコンテスト「IWC(International Wine Challenge)2019」のSAKE部門で、このギンパックが最優秀賞「グレートバリュー・チャンピオンサケ」を受賞しました。紙パック商品では初受賞。19年9月には、その上位ブランド「菊正宗 しぼりたて純米 キンパック」も新発売しました。

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