高い増収率で2018年度売上高4000億円規模に=オーケー二宮 涼太郎 社長
「出店余地はまだまだある」
──店舗数が拡大するなか物流の効率化を図るべく、神奈川県寒川町で取得した約3万坪の土地を利用し、19年6月に新たな物流センターを稼働する予定です。
二宮 新たな物流センターは主にドライ商品の配送を行うものです。これまでは卸売業者が各店舗に商品を納品していましたが、今後は同センターでメーカー各社が納品する商品を仕分け、各店舗に配送します。
しかし寒川町の物流センターだけではすべての店舗をカバーできないため、同時に千葉県、埼玉県、東京都東部をカバーするセンターを2つ稼働させます。
寒川町の物流センターは作業の自動化を進めました。自動倉庫や、カートへの商品の積載作業を省力化できる機器などを導入して、この規模のセンターとしては作業要員を減らすことができています。
──19年3月期は、東京23区内を含めて10店を新規出店しました。
二宮 概ねねらいどおりの売上が取れています。
18年3月期は、「湘南台店」(神奈川県藤沢市)や「お台場店」(東京都港区)など売場面積110~150坪の小型店を多く出店しました。
一方、今期は300~600坪サイズの店舗を中心に出店しました。出店を強化している東京23区では、なかなか600坪サイズの売場面積を確保するのは難しいですが、300坪ほどあれば大きな売上をつくる店づくりが可能と考えています。300坪の店は小型店という位置づけかもしれませんが、当社にとっては標準的な規模の範囲内にあります。
今期の小型店としては、2月27日オープンの売場面積約200坪の「あざみの店」(神奈川県横浜市)があります。駅からすぐの場所にあるため、人通りも多く、大勢の方にご来店していただけます。今後も小型店の場合は駅前での出店が中心になるでしょう。
──20年3月期の出店政策を教えてください。
二宮 引き続き10店前後の新規出店を計画しています。東京都内を中心に、神奈川、千葉、埼玉県でも出店を予定しています。東京23区では、まだ東側に店が少ないので墨田区や北区などにも出店していきたいと考えています。店舗改装も、19年3月期は11店舗で実施しましたが、さらにスピードアップさせます。
──出店競争が激化するなか、都心部はとくに物件の確保が難しくなっています。
二宮 競合他社も出店意欲は旺盛ですし、カーディーラーやコンビニエンスストア、マンションなど、立地を獲得するうえで異業種との競争も激しくなっています。しかし出店余地はまだまだあると考えています。すでに前例がありますがマンションの下層階へもチャンスがあれば出店していきたいですね。
土地の賃借に関しては、土地取得と「差し入れ保証金方式」により進めています。最近では、オーケーのお店をよく利用してくださっている地主さまの土地で出店したケースもあります。今後もこのようなかたちで長いお付き合いができる場所へ出店していきたいと考えています。