シーインがアマゾン化!?気づけば周りは「シーイン」だらけの脅威
アマゾン化していくシーイン
久しぶりにシーインのサイトをみて驚いたのは、大分類として「WOMEN」「MEN」「KIDS」「PLUS SIZE」に並んで「Home +Pet」ができており、そこではペット用品からはじまり、なんと、家具、キッチン用品から家電用品まで販売していた。アパレルの成長を天井とみたのか、アマゾンのような総合EC
次に私は、一年前の「ペラペラの生地」から、多少は品質があがったのか、また、私のようなシニアが着られる服があるのか確認するため、いくつかの商品を買ってみた。
やはり、驚くべきはその価格で、デニム、Tシャツ、ソックスあわせて、5000円もしない。まずは、Tシャツだ。お世辞にも、私たちユニクロ世代の高品質になれている人間からしてみれば、縫製の悪さは明らかで「価格なり」だった。生地は流行遅れの細番手に、なんとスパンデックス(ゴムのような強い伸縮性のある糸)が入り、生地感を厚くしているも縫製ムラが激しく、チープ感は明らかだった。
ちなみに、私が過去にレポートしたとおり広東省の工場から個別配送で直送されてきた。
今は、クーリエと国内物流業者のバケツリレーで、海外からのドアトゥードアサービスはわけなく可能だ。(Guang Dong : 広東省)
デニムは破壊的にNGだった。恥ずかしい限りだが、私のウエストに合わせてデニムを頼んだのだが、股下やヒップが超巨漢で、これは米国あたりの売れ残りではないかと感じた。生地はしっかりとしたもので縫製も問題ないが、我が家の雑巾として活躍してもらうことにした。
このように、話題ばかりが大きくなり、また、確実にZ世代に浸透しつつあるシーインだが、なかなか40代以上がマスとなる日本市場で存在感をだすのは、まだまだ先ではないかと感じたものだったところ、大手広告代理店に勤めている娘が、「シーインは、YouTuberが、これはNG、これはOKという具合に買い方ガイドをしてくれて、同年代の女子達はそれを観て買っている」と教えてくれた。
N=1で、これを普遍的な同社のマーケティング戦略だというつもりはまったくないが、先週ご紹介した論考のように、昨今のマーケティング戦略は、ターゲット以外のクラスターには知られることもなく、ひたひたと市場を奪っており、今までのマスメディアを主軸としたマスマーケティングに慣れた40代以降の世代の常識で考えていては危険であるということは確かだろう。
高齢化が進む日本市場で、ビジネスパーソンの意思決定者の多くも無音の足音で忍び寄るアジア企業に「気がつけばオセロの四隅を取られていた」状態にならないよう、「その話はもう聞いた」「それは古い」と投げ捨てず、常にアンテナを張っておくべきではないかとあらためて感じる。
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プロフィール
河合 拓(経営コンサルタント)
ビジネスモデル改革、ブランド再生、DXなどから企業買収、
デジタルSPA、Tokyo city showroom 戦略など斬新な戦略コンセプトを産業界へ提言
筆者へのコンタクト
https://takukawai.com/contact/
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