爆速の日本買い!ストライプインターナショナル、ファンド傘下入りの必然と再建戦略を読む!
ストライプの弱みと強み、これからの立て直し戦略とは
ストライプインターナショナルは、岡山からでてきたアパレルで、こうした石川元社長のスタンド・プレイでメディアを賑わし、幹部全員にMBA取得を義務づけるなど当時の話題を次々とさらっていった。しかし、earth music & ecologyの大胆なTV CMで一時的な認知を広めたが、所詮は、移り気な若年層向けビジネスだ。同社が主戦場とするショッピングセンター(SC)向けアパレルビジネスは、「低コスト x オペレーション勝負」になるということを理解していなかったように見える。このセグメントにLTV(顧客生涯価値)を期待するのは的外れだというのが、私の見解だ。ただ、客が求めるデザインと価格のものを切らさず店頭にだしてゆける企業が勝つということだ。
競合はずばりg.u. やファストファッションと真っ向勝負。一時的なブームに乗ればよいが、ブランド(SCという構造的に)は顧客を掴むほどのパワーは無く、全員が全速力で走っていれば勝てるが、息切れすれば業績は落ちるという、短距離走の繰り返しのようなビジネスである。自らの「ブランド」に余計な期待をせず、オペレーションに徹することができるかが肝要なのだ。また、当時の仕入先は財閥系商社がメーンだったと記憶しているが、ご存じの通り、今、商社OEMは矢継ぎ早に撤退の方向で動きだしている。今後を見据えて戦うのであれば、商社に頼らない直貿(直接貿易)は必至となるだろうが、同社は「製品買い」がメーンで、しっかり自社の魂を込めた商品をリスクを取って開発していくことには不慣れだという印象を持っている。商社などに逃げられたとき、そこをいかに補完するかも改革の論点になるだろう。
そこで改革のポイントは、思い切った店舗網の縮小とデジタル時代を踏まえたDX、および、私がいうTokyo city showroom戦略による海外進出になるだろうと思う。
以上、私が言う「春から夏にかけて、日本のアパレル大波乱劇」の序章が始まりつつある。アパレル企業は、「我が社の文化は」などといっている場合でない。これからは、いつあなたの会社にプロ経営者が乗り込んできてもおかしくはない。
「あ、うん」の呼吸で何でも言うことを聞いてくれた商社におんぶにだっこし、突如吹いた「ブーム」という名の神風にのって空中遊泳してきた方達は、資本の論理、科学的経営という聞けば当たり前の手法に出くわし四苦八苦しないよう、今から準備をしておくべきだ。
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プロフィール
河合 拓(経営コンサルタント)
ビジネスモデル改革、ブランド再生、DXなどから企業買収、
デジタルSPA、Tokyo city showroom 戦略など斬新な戦略コンセプトを産業界へ提言
筆者へのコンタクト
https://takukawai.com/contact/
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