ハブ&スポークシステムで強化される米国物流 その発明がもたらしたものとは
悔しさが生んだFedEx
自信満々の論文だったが、担当教授の評価は「C」と低いものだった。「何くそ」と奮起したスミスは、71年にウォルマートの本部があるアーカンソー州のリトルロックで運送業を起こす。ハブ&スポークシステムを駆使することで、荷物の翌朝配達を実現した。
故小倉昌男さんの著書『経営学』(日経BP社)では、ヤマト運輸の宅急便サービスもハブ&スポークシステムが土台になっていることが明かされている。
スミスの発明はノーベル賞ものの価値があった。けれども、本人以外は理解できなかったのである。
さて、スミスが起こした企業はその後どうなったのだろうか?運送会社の名前は、フェデラル・エクスプレス社(フェデックス/FedEx)。世界最大の航空貨物郵送企業であり、220の国と地域を結び、航空機679機と18万台の貨物車を所有、チームメンバー数50万人超、1営業日当たり1700万個以上の貨物を扱うまでに成長を遂げた。
そして、起業意欲の火付け役となったスミスの論文は、テネシー州メンフィスに移った本社に「悔しさのバネ」の象徴として飾られている。
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