中内さんの遺した言葉を噛み締める

2014/03/11 08:00
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 東日本大震災から丸3年が経過した。

 被災地の復興の槌音は、依然、大きくなることはなく、住民にとって長い苦しみはいまだ継続中だ。

 しかしながら、私を含む日本国民の大半は、被災者の厳しい毎日とは関係なく、ややもすると震災があったことさえ忘れがちだ。

 

 そこで本日は、2011年3月11日を忘れず、また小売業の在り方を自戒するために、阪神淡路大震災後にダイエー創業者、故中内功さんが、身内に向けて送ったメッセージを紹介したい(文章はそのまま)。

 非常時に小売業が何をすべきなのか、改めて認識するとともに、いつか必ず起こる次の災害に備えたい。

 

 From Saiko-Komon 1995.2.4

 なくてはならないローソン。

 阪神大震災にあたつての、国、県、市レベルの立ち上りは遅かった。

 ダイエーグループ。ローソンの対應は地域のお客様にとって、早くしかも的確であった。

 街の“ほっと”ステーション

 あの水色の看板が倒壊した街並の中で輝いているのを見て、感激した。

 被災をうけたオーナーたちも、商人としての誇りと責任をもって、店の再建に日夜、筆舌につくされた努力をしていただいた。今回の災害をバネとして、新生ローソン、なくてはならないローソンへ

 

 From Saiko-Komon 1995.2.11

  店そのものが……

 今回の阪神大震災において、神戸市民を勇気づけた最大のものの一つにローソンの看板がある。

 24時間 街の“ほっとステーション”として輝く、あの水色の清潔感あふれる光は、すべてを失った市民にとって、明日への希望の灯であった。

 ロジスチックスも、すばらしかつた。安心を売りつづけた、ローソンの活動は今后の、この国の小売の歴史の中でも特筆大書されるべきであり、オーナーのみなさま方の不眠不休の活躍に“商人道”、おとろえずの感を深くした

 

 From Rijicho 1995.1.26

 前を向いて歩こう!

 阪神大震災で流科大(流通科学大学)も大きな影響を受けた。被災された諸君に心からお見舞いを申しあげたい。

 悲観は気分から生れる。

 楽観は意思から生れる。

 強い意思をもって、自主・自律の精神を奮ひたたせて、勇猛心をもって、この事態に対処しなければならない。

 “禍を転じて福となす”“危機とは新しい機会である”

 この度の災害の中で、“情報の大切さ”“流通の大切さ”が、あらためて認識された。前を見て歩きつづけよう。
 

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