京風ラーメンの聖地! 天下一品1号店で楽しむ「総本店限定」メニュー
こってり、ニンニク入りをいただく
昼前の時間にもかかわらず、満員に近かった。それでも待つことなく、入口すぐのカウンター席に座ることができたのはラッキーだった。
さて何を食べるか。
メニューを開いて真剣に検討した後、最終的に決めたのは「温玉豚重定食」(税込1650円)。なんと総本店「限定」である。「聖地」に来て、「限定」をいただく。これほどの贅沢がほかにあろうか。
周囲を見渡すと、地元の人らしき男性の一人客、カップル、また夏休みだからか、子供を連れたファミリーなど、お客は多様である。わいわいがやがや、活気を感じる。
壁面には、「天下一品グループ 沿革」と題した年表が見えた。創業から会社設立、フランチャイズ展開開始、50店舗、100店舗達成など、成功の歴史を確認できる。


さらに店の奥には、若き日の木村氏の写真、そして毛筆で書かれた「正しい努力」の文字。あぁ、これですよ、これ。象徴的な店の目立つ場所に、この言葉を掲げるとは、創業者は成功すべくして成功したのだと感じたね。

そして私の目の前に定食が置かれた──。もちろんラーメンは、こってりスープ、ニンニク入りである。

まずはスープから。レンゲに少量をすくって口へ。うん、おいしい!
天下一品の店舗数は7月下旬現在、東北から沖縄まで221店舗ある。その中、私が今食べているのは、全店舗が“お手本”にする一杯だと考えると感激もひとしおである。スープに続き、麺もいただいたが、最高であるのはいうまでもない。

次に豚丼。普通の定食なら、主役だろうが、ここでは脇役。とはいえ食べるとおいしく、幸せな気持ちになった。

すべてを平らげた私は満腹になり、しばらく動けなかった。空になったラーメンの鉢に視線を落とすと「明日もお待ちしてます。」との文字。スープが少なくなると、このメッセージが現れる仕掛けになっているのだ。
大変満足だった。私はぼんやりと「正しい努力」について考えながら、帰りのバスに乗った。
森本守人の 京都、これ知ったはります? の新着記事
-
2025/06/20
「駅伝発祥の地」京都・三条大橋、老舗食堂の看板メニュー「皿盛」とはどんな料理なのか -
2025/06/18
京都・四条烏丸で人気! 老舗喫茶店「高木珈琲本店」で楽しむモーニング -
2025/06/06
観光客はまだ知らない! 京都・四条大宮の老舗中華そば店の意外な名物メニュー -
2025/05/08
愛媛県南部の城下町で楽しむ、海の幸あふれる郷土料理「宇和島鯛めし」の魅力 -
2025/05/05
京都・寺町、明治時代創業の老舗飲食店で味わう人気メニュー「田舎そば」 -
2025/04/22
吉野家HDが買収!京都の人気チェーン「キラメキノトリ」の実力を探る
この連載の一覧はこちら [45記事]
