「新しい現実」に備える

2011/04/16 04:45
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 東日本大震災が起こった後の、私生活の変化を挙げてみる。

 

 ①ジョギングをやめた

 ②ツイッターを始めた

 ③こまめに電気を消すようになった

 ④さらにテレビを観なくなった

 ⑤さらにラジオを聴くようになった

 ⑥2次会は積極的にはいかない

 ⑦外食には率先していかない

 ⑧酒量は増えた

 ⑨洋服を全く買っていない

 

 思いつくままに列挙してもこれだけある。明らかに何かが変わったために生活が変わった。

 

 生活の変化は、消費にも変化を及ぼす。

 たとえば、①ジョギングをやめることは、水分の摂取量が減り、洗濯の回数が減り、シャワーを浴びる回数が減ることにつながる。

 

 たぶん、3月11日以降、すべての人に少なからず、こんな小さな日常生活の変化があったはずだ。

 1人1人の変化自体は、それほど大きなものではないかもしれないが、それらがまとまると大きなうねりになる。過去のトレンドや常識は覆され、「新しい現実」(=new reality)が登場する。

 ということは、小売業は、この「新しい現実」に対応する形で、既存の商品政策も変える必要があるということだろう。

 

 イオン(千葉県/岡田元也社長)グループは、「新しい現実」に対応するために岡田社長の下に10人の役員を配して、マーケティングには特に力を入れる意思を露わにしている。

 日本全土を、(1)直接被災エリア、(2)計画停電エリア、(3)非被災エリアの3つに分け、それぞれの事情に応じた商品政策を実施するという。

 「これから何が起こるか分からない。“全国一律”“東京一極集中”“東京発信”という従来型の形は今後、ありえないかもしれない」と岡田社長は言い、細かな対応を図るために、新しいマーケティング組織を立ち上げた。

 東日本大日本震災後の「新しい現実」を受けて、いかなる対策を見せてくれるのかは楽しみだ。

 

 しかし、考えてみれば、こうした「新しい現実」への対応を得意とするのは、より小規模なローカルチェーンであり、リージョナルチェーンである。

 

 消費者に近い位置にいる分、消費者の変化や動向をナショナルチェーンよりも、迅速にキャッチでき、対応もできるからだ。

 

 変化はビッグチャンス。ぜひとも頭を切り替えて、「新しい現実」に備えたい。

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