「今後食品スーパーの“営業統合”は増えていくだろう」と話すのは堀内淳弘CGCグループ代表

2010/12/16 08:26
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 「いま日本は、なんともいえない閉塞感に直面している。消費者は、将来的不安から生活防衛に走っている。その上、少子高齢化による人口減少が進み、世界規模での食糧・資源争奪戦は激化する」。

 日本の未来を悲観するのは、中堅・中小食品スーパーマーケットを組織したコーぺラティブチェーン(小売業主宰の協業組織)CGCグループ(東京都)の堀内淳弘代表だ。

 

 こんな堀内代表の歎息をよそに、CGCグループの2010年は、順調に推移した。

 2010年12月現在の加盟企業数は223社、加盟店舗数は3693店舗でグループの総年商は4兆2812億円に達している。

 

 本部の取扱高は7375億7500万円(2010年2月期)に上る。

 2010年の特徴的な商品は、ひとつに『CGCコク仕込みカレー』(190g、甘口/中辛)で520万食を販売。2つめは、9月から発売したスペインワインの『プリンス・デ・バオ』(750ml、赤/白)。3ヶ月間で80万本を完売して、年間300万本ペースで推移している。さらには、第3のビールである『ゴールドブリュー』も140万ケース販売で着地するなど、ヒット商品を続々と提供してきた。

 

 順風満帆に推移しているCGCグループではあるが、気になるのは加盟企業の社数である。2010年は新たに5社(総年商427億円)が加わり、8社(同362億円)が退会しているからだ。

 

 堀内代表は、「食品スーパー(SM)が企業として成り立つには最低300億円の年商が必要と言ってきたが、まさにその通りになってきている。現在は年商100億円未満のクラスが苦戦している」と今年を振り返った。

 

 こうした中で、CGCのグループ企業であるマイヤ(岩手県/米谷春夫社長)、マエダ(青森県/前田恵三社長)、キクチ(福島県/菊地逸夫社長)、おーばん(山形県/二藤部洋社長)の4社が業務・資本提携して仕入れや購入を集中管理する共同出資会社のマークス(宮城県/前田恵三社長)を設立し、スケールメリットの享受に乗り出した。

 また秋田県を本拠にする伊徳(塚本徹社長)とタカヤナギ(高柳恭侑社長)も合併に向かっている。

 

 「今後、こういう“営業統合”は増えていくだろう」と堀内代表。「CGCグループは、地域密着をさらに進め、地域ナンバー1位~3位くらいまでのSM企業が結束することを応援したい」としている。

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