加藤産業代表取締役社長 加藤和弥
特定商社の色が強くなれば、デメリットのほうが大きい

2010/10/14 00:00
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現場力を強くする支店独立採算制

──食品卸売業の中で安定した収益力を維持されていますが、加藤産業の強みはどうとらえていますか。

 

加藤 当社は歴史的に、現場で活躍する営業マンをいかに強くするかということを意識してきました。この10年は、営業マンを対象とした集合教育を定期的に実施するなど、レベル向上に力を入れてきました。その意味では、取引先から一定の評価をいただいているのではないかと自負しています。

 

──営業マンの強化というと、どんなことがあるのですか。

 

加藤 食品卸売業の機能として重要なのは、まず商品を運ぶということ、それから情報を提供することです。小売業間の競争が激化する時代にあって、とくに重要性が増しているのは情報です。当社では、得意先から得たPOSデータを分析するのは、得意先とじかに接する現場にいる従業員が担当しています。本部にも情報分析をする組織はあるのですが、取引の現場や小売店のことを知っている営業マンが対応しなければ、あまり意味がないと考えているからです。

 

──現場の判断力に任せるメリットは何ですか。

 

加藤 現場の実状に即した情報を提供できることです。得意先とやりとりするにしても、何かが起こったときスピーディに対応できるという点も大きいでしょう。

 

 じつは06年、組織を改編し機動的な営業体制がとれるようにしました。かつては全国に支店や営業所が30カ所ほどありましたが、それを新たに北海道、東北、北関東、中部、南近畿といったエリアごとに11の支社を設置し、この下に整理した20数カ所の支店・営業所を配置しています。これにより、現場がスピーディに判断し、対応しやすくなりました。取引先からの要請に対し、どう対応するかの判断は支店長自身で考えさせています。

 

 当社の特徴かもしれませんが、得意先の管理や対応は支店で完結させています。独立採算制ですので、支店で働く営業マンも全体の収益を把握しています。そのため、たんに売上を上げればいいという感覚ではなく、自分たちが利益を稼ぐのだという意識を営業マン一人ひとりが持っています。現在は支店長への権限をさらに委譲するなど、現場重視の方針を強めています。

 

──支店単位で管理するとなると、得意先によっては複数のエリアにまたがるケースも出てきます。その場合はどう判断するのですか。

 

加藤 ケースバイケースですが、全国展開されている大手小売業については本部が中心となって対応しています。またいくつかの支社にまたがっている取引先については、リーダー的な支社を決め、そこが中心に対応するということになっています。いずれにせよ、支社を中心とした現場対応を基本にしていることが、当社の企業風土のベースにあります。

 

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