米ウォルマート、8〜10月期の既存店売上高は8.2%増 食品販売が好調

ダイヤモンド・リテイルメディア デジタル推進室
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米ウォルマートと従業員
強みである価格競争力を発揮し、食品の販売シェアを高めている

 米ウォルマートが発表した2022年8〜10月期決算は、主力のウォルマート米国事業で既存店売上高(ガソリン販売を除く)が前年同月比8.2%増と大きく伸びた。インフレによる節約志向が強まるなか、強みである価格競争力を発揮し、食品の販売点数が増えた。

 会員制倉庫店のサムズクラブ事業、メキシコ事業、インドEC(ネット通販)子会社のフリップカートなども販売は好調で、全社売上高(会費収入などを含む営業収益ベース)は8.7%増の1528億ドル(約22兆4600億円)となった。

 米国事業の売上高は8.5%増の1048億ドルだった。EC売上高も16%増と食品を中心に拡大しており、2年前の同期との比較では24%増だった。サムズクラブの既存店も10.0%増と好調で、収益源である会費収入は8.0%伸びた。国際事業はドル高が15億ドルの減収要因となったものの、2ケタの増収となったメキシコ事業などがけん引し、売上高は7.1%増の253億ドルだった。

 新たな事業の柱に育てようとしているデジタル広告事業は30%以上の増収だった。米国内のデジタル広告事業、ウォルマート・コネクトが40%伸びたほか、フリップカートも広告収入を増やした。

 同社は、米国内で販売した医療用麻薬「オピオイド」をめぐる訴訟の和解金として31億ドルの和解金を支払うことで基本合意、関連費用として33億ドルを計上したことから、利益は大きく目減りした。営業利益は53.5%減の26億9500万ドル、最終損益は17億9800万ドルの赤字(前年同期は31億ドルの黒字)だった。オピオイド関連費用を除く調整後の営業利益は4.6%増の61億ドルだった。

 8〜10月期の売上高が好調だったことを受けて、同社は23年1月期通期の業績予想を引き上げた。従来予想で9%減〜11%減としていた調整後営業利益は、6.5%減〜7.5%減にとどまる見通し。第1四半期(2〜4月)に売却を完了した英アズダと日本の西友の影響を除くと、5.5%減〜6.5%減となりそうだ。

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