EC運営にも店長が必要?デジタル化時代に求められる「EC店長」のスキルとは
ステイホームの影響で小売店への客足が遠のいた際に、多くの企業が「抱えている店員をどうするか」という共通の課題を持つ時期がありました。その際、外部インフルエンサーによる接客や、SNSによるWeb接客を進めるなどさまざまな変革が進んだため、オンラインとオフラインの人員配置を大きく変更する企業も増えました。今回は、なかでも重要度が増している「EC店長」について解説します。

EC運営の専門人材の不足
最近では当社にも「ライブコマースをやりたい」「店舗スタッフの手が空いているためWeb接客に回したい」「店舗でSNSの更新を行いたい」などのご相談が多く寄せられ、いつかは手をつけるべき存在だったデジタル課題は、半ば強制的に早期に取り組むべき課題へと変化しました。

とくにECをはじめとしてデジタル化を進めるうえで課題となっているのが「店長の育成」です。ECでモノを売るにはデザイナーやエンジニアだけでは難しく、結局は商売がわかる「人」が重要になります。われわれはECで商品の売り込みや管理を担当する人を「EC店長」「ECマネージャー」と呼んでいますが、この分野は圧倒的に人材が少ない状況が続いているのです。

たとえば、メーカーが卸を介さず直接消費者に商品を販売する「D2C(Direct to Consumer)」が浸透しつつありますが、メーカーは販売に関わる業務のほとんどを卸企業に頼ってきたため、売る経験が圧倒的に少ないことが多く、優れた商品を開発できてもそれを売ってくれる「店長」がいません。まさに、EC業界全体で店長不足が大きな課題となっているのです。