王者ZARA、セレクトショップの未来は?「生き残るアパレルと死ぬアパレル」最新分析!
競争環境ではなくテックが劇的な業態変化起こす
世の中は私たちが想像できないほどのスピードで変化している。
アパレル業界の10年で言うなら、「ファッション雑誌」は「ライブコマース」(ライブ配信+Eコマースの造語)へ。「リアル店舗」は「Eコマース」へ。「大御所」によるトレンド予測は「ビッグデータ解析」によるデータ分析へ。商社など中間流通は「ものづくりの会社」から「投資会社」へなどである。これは、技術、また、技術によるオペレーション効率化による業態進化であり、競争環境の変化が引き起こしているわけではないということを理解してもらいたい。
例えば、経営環境はその進化を吸収しないところまできている。モノで溢れる先進国において、アパレル産業の成長は止まった。そして、市場に隠されている「隠し在庫」、消費者同士の「二次流通」(CtoC)の流通点数は、繊研新聞社の初期的試算によれば、毎年新規に投入される新商品の投入点数(35億〜40億点数)以上、または、それ相当の点数の可能性もあるという。結果、企業のKPI(重要業績評価指標)は、売上・利益から、優良顧客数 x LTV(顧客の生涯価値)、そして、成長戦略はパイの食い合いによるM&A (企業買収)に変わってきた。
自社競争力の優位性を信じ、あくまでも物販による闘いを挑む企業から、8月27日に日経新聞で報じられた、「丸井グループによるプライベートブランド撤退」のように「脱物販」を掲げる企業、または、白旗を揚げ、立ち往生する企業にわかれている。
本稿では、①セレクトショップの未来、②3大プラットフォーマーのこれからの戦略、③リアル店舗時代の王者ZARAの次の一手、④百貨店、ショッピングセンター(SC)に出店するアパレルのこれから、という4つの気になるテーマを一気に解説することを通して、「10年後に勝ち残るアパレルの条件」を炙り出した。
河合拓のアパレル改造論2021 の新着記事
-
2022/01/04
Z世代の衝撃#4 Z世代を追えば敗北必至!取るべきトーキョー・ショールーム・シティ戦略とは -
2021/12/28
Z世代の衝撃#3 既存アパレルが古着を売っても失敗する明確な理由とは -
2021/12/22
インフルエンサー・プラットフォーマー「Tokyo girls market」驚異の戦略とは -
2021/12/21
プラットフォーマー起因の歪な過剰生産が生み出す巨大ビジネス、SheinとShoichi -
2021/12/14
Z世代の衝撃#1 ライブコマースで「インフルエンサー・マーケティング」が失敗する衝撃的理由 -
2021/12/07
TOKYO BASEがZ世代から支持される理由と東京がショールーム都市になる衝撃
この連載の一覧はこちら [56記事]
関連記事ランキング
- 2024-10-29ライザップ傘下の夢展望、Temu効果で株価高騰も拭えない「不安」とは
- 2024-11-05ユニクロがZOZOに出店しない当然の理由と今後のECモールとの付き合い方
- 2024-11-12アパレルは「個人売買」「古着」が、今後驚くほど拡大する理由
- 2024-11-19ユニクロ、開始から7年で明らかになった有明プロジェクトのいまとすごい成果
- 2024-11-13値上げしたのにアパレル業界が利益に結び付かない2つの理由
- 2024-11-07同じ低価格なのに…GUがしまむらやワークマンと「競合」しない決定的な理由_過去反響シリーズ
- 2024-09-17ゴールドウイン、脱ザ・ノース・フェイス依存めざす理由と新戦略の評価
- 2024-10-22事業再生、「自ら課題解決する」現場に変えるための“生々しい”ノウハウとは
- 2021-11-23ついに最終章!ユニクロのプレミアムブランド「+J」とは結局何だったのか?
- 2023-08-08EC時代にスクロールとベルーナだけ好調 生き残るカタログ通販、死ぬカタログ通販