[カー用品] だれでもできる日常点検を推奨  ボンネット開けるきっかけづくりを売場で提案

2018/05/01 11:48
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Car Equipment

カー用品

だれでもできる日常点検を推奨
ボンネット開けるきっかけづくりを売場で提案

クルマをキレイにすることは、事故の軽減につながる。これからのクルマのユーザーが求めるのは、安全と安心だ。カー用品売場も、安全と安心を訴求することで、活性化を図ることができる。エンパイヤ自動車では、安全と安心なカーライフのために、ボンネットを開けて日常点検を行うことを提案していく。(本誌:小坂義生)

 

● これまで以上に求められるクルマの安全・安心

 クルマユーザーがこれからの「クルマに求めるのは、安全と安心だと思います」と、エンパイヤ自動車 執行役員営業本部副本部長の遠山修治氏は言う。

 

 最近の自動車開発では、追突軽減システムや自動運転システムの開発が活発だ。煽あおり運転が耳目を集め、ドライブレコーダーの需要が拡大している。最近の自動車の広告宣伝では、燃費の改善を訴求するものは少なくなり、安全・安心を消費者に訴えるものが増えている。

 

 こうした視点から、クルマのユーザーはこれまで以上にクルマに対して安全や安心を求めるようになるだろうと、遠山氏は語っているのである。

 

 ホームセンター(HC)のアフターマーケットにおいて、こうしたトレンドを踏まえた売場提案は重要である。

 

● ウインドウォッシャー液を、安全・安心の視点から提案

くるまの日常点検のエンド展開例
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 「クリンビュー」ブランドを展開するイチネンケミカルズが行った『クルマの汚れと交通事故に関する意識調査』によると、4人に1人がフロントガラスの汚れやくもりによる視界の悪さで、事故に遭いかけたことがある。さらに、フロントガラスの汚れが気になる状態での運転は、気にならない状態での運転と比べ事故リスクが3倍になることがわかった。

 

 言い換えると、フロントガラスを常にクリーンにしておくことは、事故の軽減につながるのである。ここに、カー用品売場を活性化させるヒントがある。

 

 たとえば、「フロントガラスが汚れたままで運転していて、暗くなって視界が悪くなったときなどに、ヒヤリ・ハットを経験したことはありませんか? フロントガラスはクリーンな状態で運転するようにしましょう。そのために洗車用品やウインドウォッシャー液を用意しておきましょう」という提案である。

 

 ウインドウォッシャー液の売場提案は、まだできることがあると遠山氏は言う。「ウインドウオッシャ―液の販売数量は大きい。そのため、多くのユーザーさんが購入している商品だと思いがちです。しかし、クルマのメンテナンスに関して初心者の方は、ディーラーやカーショップに作業を依頼して高い金額を支払っているのです。そういった人に対して、こんなに簡単に自分で交換・補充できますよと売場で提案することで、潜在需要の掘り起しができると思います」(遠山氏)。トレンドを踏まえた売場提案は重要である。

 

● クルマの日常点検にある「減ったら足すだけ安全に」

誰でもできる「くるまの日常点検」のPOP
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ウインドウォッシャー液のPOP
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 HCの来店客の大半は、クルマの知識に関してはどちらかというと初心者である。もっと具体的に言うと、30~40歳代の女性である。HCに日用品や園芸やインテリアなどを目的買いに来た女性をターゲットに、ボディの皮膜やツヤ出しの極意を訴求しても、なかなかリーチしにくい。むしろ、クルマのメンテナンスは、事故防止につながるといった、日々の運転での気づきの場面を訴求することが大切である。

 

 安全・安心につながるのは、フロントガラスやボディの洗車だけではない。タイヤの空気圧のチェック、バッテリー液の補充なども想定できる。

 

 そこで、エンパイヤ自動車がHCの売場で提案するのは「だれでもできる くるまの日常点検~減ったら足すだけで安全に~」である。

 

 具体的には、「ウインドウォッシャー液を『足すだけ』」、「バッテリー充電器で電気を『足すだけ』」、「タイヤをエアゲージで点検しコンプレッサーで空気を『足すだけ』」である。

 

● 洗車のついでにボンネットを開ける提案

 「クルマの日常点検に対するユーザーが感じるハードルを、可能な限り下げて提案していきます。実は、ドライバーの中にはボンネットを開けたこともない人が多いのです。まずは、ボンネットを開ける提案から始めたいと思っています」と、遠山氏は語る。

 

 エンパイヤ自動車では、4月末からゴールデンウイークにかけて、4月28日の「洗車の日」を訴求し、仕入先各社と連携して洗車用品の売場展開と、洗車の啓発を行う。

 

 追突軽減システムや自動運転システムは、カメラを使い、人やクルマ、障害物を検知する。フロントガラスやボディが汚れていれば、その機能が正常に働かない可能性もある。ボディやフロントガラスの洗車が事故防止につながることを売場で提案していく。

 

● 洗車の次にあるバッテリーやタイヤのチェック

 さらにその先の提案として、フロントガラスをキレイに掃除した際に、ボンネットを開けウインドウォッシャー液の残量も確認し、減っていれば補充をすることもユーザーに提案していく。

 

 バッテリーチェッカーを用意することで、一般ユーザーでも簡単に電圧チェックができる。最近のバッテリー充電器はクルマから取り外すことなく充電できるので、家庭用電源(100V)があればだれでも簡単にバッテリー補充ができる。ボンネットを開けたとき、バッテリ補充液のチェックも日常点検で欠かせない。これらの点検で、バッテリー上がりの予防につなげる。タイヤをキレイにするときに、一緒に空気圧のチェックをしたり、タイヤの溝の深さなどの確認をしたりするだけで、パンクやバーストの予防になることも訴求する。タイヤの空気圧もエアゲージで行うことができ、市販のエアコンプレッサーを使えば、空気圧の調整も可能だ。

 

 「洗車と日常点検に合わせて提案・訴求をすることによりカーライフが安全・安心につながることを積極的に提案していきます。最初の一歩を提案できれば、ユーザーさんはずっとカー用品コーナーのリピーターになっていただけると考えます。そのためにさまざまな販促と売場への支援を実行していきます」と遠山氏は語っている。

 

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