〈ダイヤモンド・ホームセンター〉国内ニュース

2015/12/14 00:00
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●ワークマン
 第2四半期決算増収増益作業用品が大きく伸びる

イシアグループのワークマン(群馬県/栗山清治社長)の2016年3月期第2四半期(上期)決算は、既存店売上高が5・2%増と期初計画よりも1・8pt上振れしたことで、チェーン全店売上高は342億8300万円(対前期比6・4%増)、営業利益40億6500万円(同17・1%増)の増収2ケタ増益だった。

 

 商品部門別売上高では、作業用品が最も伸びて12・1%増。レインウエア、ヤッケ、軍手、ゴム張り手袋がけん引した。中でも、プロだけでなく通勤・通学・スポーツなどにも使える「透湿レインスーツSTRETCH」などのプライベートブランドPB)で差別化した格好だ。なお作業用品の売上構成比は年々高まっており、12年度上期比較で2・2pt増となる28・5%となっている。

 

 一方ワーキングウエアは対前期比1・5%増となったが全部門の中で伸び率が最も低い。その構成比も12年度上期比較で2・1pt減の27・2%となっている。これはワーキングウエアが不調とみるのではなく、伸び代のあるカテゴリーを強化した結果、相対的に構成比が下がっているとみるべきだろう。

 

 なお同社は期中に新店5店舗、閉店1店舗、スクラップ&ビルド1店舗で、上期末店舗数は753店舗(15年3月期末より純増4店舗)、うちFC店舗は645店舗となった。

 

 同社は通期でも増収増益を計画している。

 

●東急ハンズ
 続々出店計画

急ハンズ(東京都/吉浦勝博社長)が積極的な出店を行っている。同社は10月に四国1号店の松山店(1900㎡)を出店後、12月にはららぽーと立川立飛店(1360㎡)をオープン。そして2016年3月には仙台店、同年春には東京・銀座に新業態の「HANDS EXPO」を出店することも決まっている。さらに4月には九州5店舗目となる長崎店(2000㎡)もオープンさせる計画だ。このほかにも、15年末に30坪クラスの小型新業態・Picaro(ピカロ)を2店舗オープン済みだ。

 

 商圏人口の多い大型店の出店余地はほとんどないという東急ハンズだが、地方都市や首都圏郊外部などへの中型店出店と新業態の開発・出店で成長戦略を描いている。

 

●ホームセンターバロー
 増収2ケタ増益営業利益率5%台へ

ローホールディングス(岐阜県/田代正美社長)の2016年3月期第2四半期決算は営業収益2469億2700万円(対前期比6・4%増)、営業利益76億7300万円(同5・9%増)で増収増益だった。だが、食品スーパー事業が減益となったため、利益面では計画未達に終わった。

 

 一方、ホームセンター事業(現・ホームセンターバロー、和賀登盛作社長)は既存店売上高対前期比が4・6%増と好調で、営業収益240億5900万円(同6・6%増)、セグメント利益13億4800万円(同21・6%増)と増収2ケタ増益だった。

 

 収益性も改善しており、営業利益率(※セグメント全体)は前期比0・7ptアップの5・6%となり、いよいよ高収益HCの仲間入りをした格好だ。

 

 ホームセンターバローは引き続き、大型店の出店加速・専門化の推進により、業容拡大を図っていく戦略だ。

 

●DIY協会月例調査
 10月度既存2.6%増

本DIY協会(東京都/稲葉敏幸会長)は、10月度のホームセンター売上高月例調査を発表。全店ベースの売上は5・4%増で、既存店ベースでは2・6%増となった。既存店ベースでは8月度1・4%増、9月度0・0%で3カ月連続で前年以上の売上となった。

 

 商品分野別に見ると、その他を除く9分野がプラス。好天に恵まれた地域が多かったことから、「園芸・エクステリア」12・8%増、「カー・アウトドア」6・6%増と全体をけん引したほか、「DIY素材・用品」も6・1%増と好調だった。なお4月度以降、商品分野別で「DIY・素材用品」、「ペット」、「カルチャー」の3分野が7カ月連続でプラスとなっている。

 

 なお4月度以降、商品分野別で「DIY・素材用品」、「ペット」、「カルチャー」の3分野が7カ月連続でプラスとなっている。

 

●オートバックスセブン
 人型ロボット店舗に導入

ー用品専門店オートバックスを展開するオートバックスセブン(東京都/湧田節夫社長)は、12月よりソフトバンクロボティクスが開発・提供する人型ロボット「Pepper」をスーパーオートバックス東京ベイ東雲(東京都江東区)に導入した。

 

 同店内において接客係としてさまざまな業務を行う。たとえば店内マップの表示、商品やキャンペーンの案内、アンケート調査など。また、外国人旅行客の利用が多い店舗のため、今後は英語や中国語などにも対応できるようにする方針だ。導入台数は1台。

 

●上場カー用品専門店
 いずれも増収増益 脱〝販売〟がカギか

ー用品専門店業界の2強、オートバックスセブンとイエローハット(東京都/堀江康生社長)が2016年3月期第2四半期決算を発表した。

 

 オートバックスセブンは売上高986億9500万円で対前期比0・7%の微増収ながら、営業利益は前年同期の5倍近い24億9600万円となり、微増収大幅増益決算となった。全体売上の56%を占める卸売部門が6・5%減となったが、小売部門は12・2%の大幅増収となった。

 

 国内店舗売上高(全業態)を見ると、前年比2%増ながら、主力で売上の80%を占めるカー用品販売・サービスは0・3%の微減収。伸びているのは車検・整備で対前期比9・2%増、車買取・販売が同21・7%増だった。このように売上の中身に変化が起こっていることがわかる。

 

 一方イエローハットは、売上高583億5400万円(同5・9%増)、営業利益31億2100万円(同25・9%増)で増収2ケタ増益だった。車検をはじめとするカーメンテナンスサービスが16%増(車検台数は29%増)で、タイヤが14%増となるなど消耗品販売が順調に推移し、売上・営業利益とも過去最高を更新した。ただ卸売事業の売上は4・7%の減だった。

 

 両社の好業績を見ると、単なる〝カー用品販売”から脱却して専門性を高めることがホームセンターのカー用品売場に必要であることがわかる。

 

●主要HC月次売上高
 11月度は総崩れ

12 月7日時点で発表済みの上場ホームセンター6社(コメリ、コーナン商事、ナフコ、ジョイフル本田、ケーヨー、アークランドサカモト)の11月度既存店売上高は、6社全社が揃ってマイナスとなった。4カ月連続でプラスをキープしてきたコーナン商事も1・6%減。客単価は3・3%増とこれまでと同水準をキープしたが客数が4・7%減となった。同じく10月度まで3カ月連続でプラスだったナフコも2・8%減で、客単価は1・9%増としながらも4・6%の客数減に苦しんだ。

 

 残る4社の11月度既存店売上高は、コメリが4・8%減、ジョイフル本田とケーヨーがともに5・9%減、アークランドサカモトは8・8%減だった。なおケーヨーは客単価1%増で、これは3カ月連続のプラスとなった。

 

 各社好調な10月度から一転して、厳しい月となった。

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