【LIXILビバ】中期成長戦略 2015年度2000億円めざし、業務提携も視野

2012/12/17 14:00
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7期連続で増収増益を達成中のホームセンター(HC)企業・LIXILビバ(埼玉県/豆成勝博社長)が、今後の出店戦略を含めた具体的な成長戦略を明らかにした。これにより2015年度2000億円体制をめざす。
取材・文=阿部幸治(ダイヤモンドホームセンター)

 

15年度までにSVH14店舗出店

 

 成長戦略は大きく、①出店戦略、②プライベートブランド(PB)戦略、③提携戦略の3つに分かれる。

 

 まずは規模拡大の軸となる①出店戦略。LIXILビバは2003年6月にスーパービバホーム(SVH)業態1号店を出店後、積極的なSVH業態の出店を進め、破竹の勢いで成長してきた。SVHを初投入した03年度に797億円だった売上高は、11年度に1547億円に到達。そのうちSVHと同社がニュービバホーム(NVH)と呼ぶ中型店舗で売上構成比の72%を占めるに至った。

 

 同社は06年度から10年度までの5ヵ年を成長期と位置づけたが、11年度からの5ヵ年を飛躍期と位置づける。最終年度である15年度には売上高2000億円をめざす。

 

 売上高2000億円のうち、1800億円を稼ぎ出すのが、SVHとNVHだ。11年度1095億円だった2業態の売上高を、あと4年で705億円を積み増す。具体的には、今期(12年度)はすでに3店舗(小樽・橿原・岩槻)をオープン済みで3月にSVH手稲富丘店を出店して計4店舗新店を出す。13年度は関西エリア2店舗と札幌圏エリア1店舗、関東エリア1店舗の計4店舗を出店し、14年度も年間4店舗、15年度は年間5店舗の出店を計画している。今後の出店はいずれもSVHとなる見込みで、投資規模は年間100縲怩P25億円を見込む。また、今期新規出店エリアとして札幌圏に進出したが、15年度までには新たに九州に1店舗SVHを出店する計画だ(図参照)。このように、基盤である関東エリアでのさらなるドミナント化の深耕を行いながら、新規エリアを着実に開拓していく考えだ。

 

HCの需要拡大のための提携

 

 次が②PB戦略だ。同社のPB比率は今上期で25・6%ある。「先行HC企業と比べればまだまだ当社は低い。PB比率を高めていきたい」と同社の豆成勝博社長は語る。同社がPB戦略を重要視するのは、差異化商品の開発による競合店と差別化を図るだけではない。にじむのは、来るべき消費税増後の世界への対応と、LIXILグループとしてグローバルで羽ばたくための収益構造改革だ。

 

 「当社はSPA(製造小売業)企業をめざしているわけではない。PBは安定的な経営維持のための必要手段」と同社取締役専務執行役員の渡邉修氏は説明する。消費税増税で5%前後の売上が消えるとみており、そうした厳しい状況下でも、着実に営業利益を残すためにPB戦略が重要性を増すとみているわけだ。

 

 最後が③の提携戦略だ。「成熟期に入ったHC市場は頭打ちの状況にある。当社としては、プロ向けのリフォーム資材と一般消費者向けのリフォームサービスを売場の中心に据えて、6兆円といわれるリフォーム市場を切り開いてHCの需要そのものを拡大していく。まだ具体的な計画は白紙だが、当社のコンセプトに賛同してもらえる企業さんと、業務提携や統合を行い、一緒にHC市場のすそ野を広げていきたい」(豆成社長)。

 

 LIXILビバの成熟市場を打ち破る成長戦略が、加速する。

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