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2017年10月1日

『コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則』
フィリップ・コトラー著 恩藏直人監訳
(朝日新聞出版/2400円〈本体価格〉)


 世の中の変化に対応し、マーケティング手法も日々進化している。本書は、ベストセラーとなった『マーケティング3.0』(フィリップ・コトラー著)の続編となる。

 

 『マーケティング3.0』は2010年刊行で、生産者主導の「マーケティング1.0」から、顧客中心の「マーケティング2.0」、さらに人間中心の「マーケティング3.0」への移行について解説している。「マーケティング3.0」は、顧客を単なる購買者としてではなく、「マインドとハートと精神(スピリット)を備えた全人的な存在として捉えるべき」であるという。

 

 一方、本書が提唱する「マーケティング4.0」は、「カスタマー・ジャーニー(製品サービスを知った顧客が購入・推奨に至るまでの道筋)」を中核的な概念とする。そして、カスタマー・ジャーニーの変化に適応する必要性を主張している。「マーケティング4.0」の背景には、「マーケティング3.0」の時代から約6年が経過し、デジタル技術が大幅に発展したことが挙げられている。スマートフォンの普及、拡張現実(AR 、Augmented Reality)、仮想現実(VR、Virtual Reality)などがそれにあたる。このような技術的発展に伴い、シェアリングエコノミーやコンテンツマーケティングなど、新しいトレンドが生まれていることを本書は指摘する。

 

 たとえば、カスタマー・ジャーニーの重要な要素の1つである「顧客の親近感(エンゲージメント)」を高めるために、ゲーミフィケーション(ゲームの仕組み)を使っている米ドラッグストアのウォルグリーンを取り上げる。同社は、ウォーキング、ランニング、サイクリングなどの活動量を測ることができるアプリを活用し、健康によい行動をした顧客に特典を与えるというマーケティングを行っている。

 

 企業やブランドのマーケティングは偶然成功するものではないという。デジタル技術の成長が著しい時代だからこそ、カスタマー・ジャーニーの概念を理解したうえで、効果的なマーケティングを展開することが、今後の成長戦略に欠かせなくなりそうだ。

 

(『ダイヤモンド・チェーンストア』2017年10月1日号掲載)

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