AIを個店経営にどう生かすべきか?人間にしかできないこと、AIにできることとは

島田 陽介
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「正解が1つ」の問題に対して万能のAI

 これからチェーン経営にAIがどんどん用いられることになるだろう。そうなれば「個店経営」の重要性がさらに増すことになる。なぜなら、いわゆる「チェーン理論」はコストダウンを中心に組み立てられており、そのため画一性が重んじられ、無人化が試みられているからである。重要なのは、画一売店チェーンにおいては「正解は常に1つ」ということである。どの店も「同じ」なら、AIの活用度は高くなる。

 ただ、対話型のAIチャットサービスが評判になりすぎたため、AIについての誤解を生みかねない事態となっている。ほとんどの人が、AIに何かを問いかけて、すでにわかっている「正解」にマッチするかどうかを試すという、AIチャットの信用度のテストをしているからである。だがAIは、個店経営であるかどうかにかかわらず、今後の流通業チェーンの経営に不可欠なものである。

AIイメージ

 その第1の理由は、AIは「正解が1つ」の問題には、完全な正解を出すという事実にある。たとえば、AIに「店舗の任務は何か」と問うてみたとする。AIはただちに「徹底的にコストダウンにのみ集中して努めること」という答えを出すだろう。だが、これは事前にAIにチェーン理論の教科書を丸暗記させた場合の正解である。

 「チェーン理論」においては、すべての問いに対して正解が1つしかない。だから手元にAIを呼び出すスマホさえあれば、いつでも正解を引き出すことができる。たとえば、「翻訳機能」を見よ。スマホに日米翻訳アプリを入れておけば、英語を知らなくても英会話ができる。もっと言えば、すでに昔から、われわれのほぼ全員がスマホの「計算機能」を利用している。それは四則演算にはたった1つの正解しかないからである。

 われわれはスマホが出した答えを正解と信じて疑うことがない。正解が1つしかない問題については、もはや人間は憶える必要も、憶えているかどうかテストする必要さえない。同じことは「クイズ」についても言える。クイズには、必ず1つの正解がある。だから人間は答えを時々間違えるが、AIは必ず正解を出す。

「問い」を発するのはAIではなく人間

 では、

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