判定コストが激減!青森発、コメの銘柄を10秒で判定するAI搭載アプリとは
青森から出荷される銘柄米の価値を高めたい
現時点で「Rice Tag」が判定できるのは、青森県産の「青天の霹靂(へきれき)」「つがるロマン」など4銘柄、秋田県産の「あきたこまち」など4銘柄の計8銘柄。テストで検査員と同等以上の正解率を達成している。川村氏は「まずは県内の検査機関に展開して、青森から出荷される銘柄米はしっかり検査された、品質が保証されているコメだと、価値を高めるアピールができれば」と言う。あわせて「こういった新しい技術を、地方からでも生み出せることを知ってほしい」とも。
品位検査の品質判定機器は導入に数百万円の費用がかかり、設置するための場所も確保しなければならない。しかし、この「Rice Tag」で銘柄を判定するために必要なのは、スマートフォンへのアプリのインストールと、米粒を載せる黒いトレーの撮影キットだけ。川村氏は、「事業化すれば、月額2000~3000円で使っていただけるのではないか」とする。サブスクリプション型での展開が見込めそうだ。
農林水産省が公表している資料によると、全国にある登録検査機関は2023年3月末現在で1739機関、検査員は1万9509人いる。しかし、農業に携わる人の高齢化と人手不足が進む懸念は、農作物検査においても変わらない。そこで登場した、コメの銘柄を判定し、検査員の負担を軽減できるAI搭載アプリ「Rice Tag」。青森で生まれた発明は、これから、どのような広がりを見せていくだろうか。