判定コストが激減!青森発、コメの銘柄を10秒で判定するAI搭載アプリとは

2024/02/02 05:59
吉牟田祐司
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青森から出荷される銘柄米の価値を高めたい

KAWACHO RICE取締役
KAWACHO RICE取締役の川村航人氏

 現時点で「Rice Tag」が判定できるのは、青森県産の「青天の霹靂(へきれき)」「つがるロマン」など4銘柄、秋田県産の「あきたこまち」など4銘柄の計8銘柄。テストで検査員と同等以上の正解率を達成している。川村氏は「まずは県内の検査機関に展開して、青森から出荷される銘柄米はしっかり検査された、品質が保証されているコメだと、価値を高めるアピールができれば」と言う。あわせて「こういった新しい技術を、地方からでも生み出せることを知ってほしい」とも。

ricetag撮影キット
判定の精度を保つために撮影キットは必須

 品位検査の品質判定機器は導入に数百万円の費用がかかり、設置するための場所も確保しなければならない。しかし、この「Rice Tag」で銘柄を判定するために必要なのは、スマートフォンへのアプリのインストールと、米粒を載せる黒いトレーの撮影キットだけ。川村氏は、「事業化すれば、月額20003000円で使っていただけるのではないか」とする。サブスクリプション型での展開が見込めそうだ。

 農林水産省が公表している資料によると、全国にある登録検査機関は20233月末現在で1739機関、検査員は19509人いる。しかし、農業に携わる人の高齢化と人手不足が進む懸念は、農作物検査においても変わらない。そこで登場した、コメの銘柄を判定し、検査員の負担を軽減できるAI搭載アプリ「Rice Tag」。青森で生まれた発明は、これから、どのような広がりを見せていくだろうか。

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