【小売業特別レポート】NTT東日本「AIガードマン」買物客の行動をAIで検知し声がけにつなげる
~店舗の「万引き防止」や「接客向上」に効果~

2019/11/26 09:30
ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局 

 店舗にとって「万引き」による被害の減少や積極的な「接客品質の向上」は、売上に与えるプラスの効果が大きいテーマだ。その課題に対応できるのが、NTT東日本が開発しサービス提供している「AIガードマン」である。買物客の行動を店内のカメラで観察し、不審な行動を感知すれば店員の持つアプリに知らせる仕組み。その通知を受けた店員は、買物客に声をかけることにより万引きを未然に防ぐことが可能という。そして積極的な声がけは、商品を探している買物客をサポートすることにもつながり、買物客の購買促進につながる。

万引き注意
店内での不審行動を検知し声がけすることで万引きを未然に防止

万引きの約65%は声がけで防止可能

 万引き被害を減少させることは、店舗にとって大きな経営課題のひとつ。万引き犯罪の被害額は年間4615億円(2010年・万引防止官民合同会議)にも達するという。1日あたり全国で12億円超の被害が発生していることになる。この被害額は、そのまま店舗のロスにカウントされる。被害額の大きさに加えて、万引き犯の確保や警察への連絡、損害賠償請求など手間やコストの発生も避けられない。

 こうした中で、小売業の多くで万引き防止のために取り入れられているのが、防犯カメラの設置や店員の積極的な声がけという調査結果(全国万引犯罪防止機構/全国小売業万引被害実態調査)が出ている。警視庁のHPでは万引きをあきらめる要因として、店舗スタッフの「声がけ」が最も効果的で、65.6%を占めるとしている。

アースアイズ株式会社制カメラ
アースアイズが開発したAIカメラ。AIを搭載し不審行動を瞬時に検知する

 NTT東日本がサービス提供する「AIガードマン」は、AIカメラや防犯システム開発のアースアイズと提携し導入するAIカメラ、スマホアプリへの通知やAIの更新を行うAIクラウド、検知映像を保存するストレージでシステムを構成する。
 万引きが多発しがちな棚の通路を撮影するポジションに設置したAIカメラで買物客の不審な行動を検知し、その情報を店舗スタッフのスマホアプリに通知する。通知を確認した店員が売り場に向かい、その買物客に声をかけるというプロセスで万引きを未然に防ぐ。

万引きによる商品ロスが半減したケースも

 不審行動には、売場を行ったり来たり、キョロキョロしたりウロウロする行動や、通路にしゃがみ込む行為などが挙げられる。もちろん万引き目的ではなく、単に商品を探している場合もあるだろう。その時に店員が声がけして買物客の困りごと、例えば商品が見つからない場合やどの商品がいいか迷うというケースなどに店舗の店員が適切に対応することも可能だ。万引き防止とともに、買物客への親切な声がけで店舗イメージアップ、売上促進という効果も大いに期待できる。

 AIカメラには不審行動のパターンが登録され随時アップされる。広角レンズを搭載し10m程度の範囲で通路を監視し不審行動を検知すると画像を送信するとともに通知を行う。アプリに通知された情報を店員がタップし、声がけに向かい、声がけを終えれば完了ボタンをクリック。その一連のプロセスを記録しレポートして提供される。これにより適切な声がけを行ったかどうかを把握でき、効果測定にも生かせる。

 NTT東日本の担当者によれば「AIガードマン」の万引き防止効果について、「商品ロスが年間1%の場合、1年後のロス率を0.6%で提案する。実際には半減したケースも出ている」と効果は非常に高いと胸を張る。

 

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