商品はワークマン女子と全部同じなのに、「ワークマンカラーズ」が新業態と言えるワケ

中原 海渡 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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ワークマンカラーズを出店した理由

 ワークマンカラーズを出店した理由について、ワークマン専務取締役の土屋哲雄氏は以下のように話す。

 「ワークマンは機能性の高いカジュアルウェアを販売するブランドとして定着したが、購買動機が機能性である場合、目的買いがほとんどとなるためお客さまの買い上げ点数は少なくなる。一方、トレンドを取れ入れるかたちでデザイン性を訴求すればお客さまは衝動的に商品を買うため、1人当たりの買上点数が飛躍的に上がる」(土屋氏)

 そこで、ワークマンカラーズイグジットメルサ銀座店では、トレンドの素材やシルエット、カラーを採用したカジュアルウェアの新商品をまずは10アイテム導入している。

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 しかし、そうした商品を販売するには製造上の問題があった。ワークマンは従来、製造工場の閑散期を利用して商品を製造しているため、コストが割安である一方で一般的なアパレルブランドよりも製造期間が長く、発注から納品まで約1年かかるという。この体制ではトレンドを追って生産を依頼しても、売場に商品が出回る頃にはトレンドが廃れてしまう。

 そこで採用したのが、クイック・レスポンス(QR)生産だ。これにより、発注してから4週間での短期納品が可能となった。QR生産は、中国・上海にある小さなメーカーが担う。従来の工場は発注数が1アイテム当たり1万ロットだが、QR生産の工場では1000ロットとなっている。

 今後、QR生産で製造する商品数を徐々に増やしていき、ワークマンカラーズ だけではなく#ワークマン女子でも販売していく予定だ。土屋氏は、「将来的に、#ワークマン女子で販売するレディース商品の2割を、QR生産で製造するトレンド商品にしたい」と話す。

 ワークマンは今後、ワークマンカラーズを計10店舗出店する計画だ。新宿や渋谷、梅田などの都心に構え、商品のデザイン性のアピールに注力する。同時に、#ワークマン女子の出店を強化していく。「#ワークマン女子の店舗数は、236月末時点で49店舗。10年後は400店舗まで拡大したい」と土屋氏は意気込みを語る。

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記事執筆者

中原 海渡 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

神奈川県出身。新卒で不動産仲介業の営業職に就き、その後ライター/編集職に転身。

2022年10月に株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。ダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集部記者として記事執筆・編集を行う。

趣味は音楽鑑賞(ポップス/ロック)と、最近はレコード&カセット収集。フィジカルメディアが好きで、本も電子書籍より実物派。

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